第30話 色々とデカいバトル(意味深)


 春香の鋭い洞察力により、俺たちが戸籍上の兄妹ではないことがバレてしまい、さらにそこへ三つ子三姉妹の末っ子である杏子が起きてきた。


「ピンク髪? だ、誰?」


 春香は杏子の派手な髪色に驚きながらたじろぐ。

 さすがの春香も杏子の派手な髪色と(色々と)デカいスタイルに圧倒されていた。


「……お兄さん……そちらの方は?」


 杏子は眠たい目を擦りながらポヤポヤした声で聞いてくる。


「えっと、こちらは俺の幼馴染で」

「幼馴染さん?」


 杏子は小首を傾げる。

 一方で春香の方は杏子を見るなり、やけに驚いた表情を浮かべる。


「ピンク色の髪に、しかも、なんなのその大きくて美しい形の胸は!」


 豊作に感動するメロン農家みたいなリアクションで、杏子のおっぱい目掛けて飛びつく春香。


 胸に触れるか触れないかの距離感で杏子のおっぱいをガン見して……って、おい!


「は、離れろ春香! 朝から何やってんだ!」


 俺はすぐに春香の顔を杏子の胸の前から剥がす。


「おっ、お兄さん!? この人ヤバい感じでしょうか」

「ま、まあ……」

「まあって何よ青斗!」


 普通にヤバいだろ……いくら同性とはいえ、初対面のおっぱいに感動するとか。

 朝から幼馴染の暴れっぷりに若干——いや否、かなりの違和感を覚える。


「でも色々と分かってきたわ。あなたが三姉妹の長女なのね? おっぱいの大きさ的に」

「どんな基準で決めつけてんだ。違うからな」

「あ、杏子は……末っ子です。三つ子の」

「そうですよー? お姉ちゃんはあ・た・し、なので!」


 ブチ切れモードの紅葉が、お玉を春香の頭の上へと振り翳しながら言う。

 ヤバい、これは●る時の目だ!


「どうどう、落ち着け紅葉! と、とにかく、今は早くメシにしないと遅刻するだろ?」

「それもそうだね? 青斗くんと杏子は自分の席に座って待ってて♡ 春香さんはもう登校したらどうですか?」

「……くっ」


 紅葉VS春香の激オモ大怪獣バトルは、引き分け(?)という形で終わろうとしていた。


「今日のところはこのくらいで引くけど……あなたたち、青斗に変なことしたら幼馴染の私が許さないから」


 捨て台詞を吐いて、春香は家から出て行った。


 なんとか義理の兄妹関係の話題から離れてくれて良かったと思うべき、なのか……?


 結局のところ、春香が朝からここに来た理由は全く分からなかったのだが。


「春香さん、どうやら青斗くんの朝ごはんを作りに来たみたいなの」

「え? 春香が?」

「ついさっきまで本当に幼馴染って知らなかったから不審者だと思って邪険に扱っちゃった。悪いこと、しちゃったかな……?」


 紅葉は反省を口にしながらお玉を見つめている。

 その割には、そのお玉でぶん殴ろうとしているように見えたのは俺だけだろうが……?


「ま、まあ、次からは仲良くしてあげてくれ。春香は悪い子じゃないんだ。ただちょっと今日は機嫌が悪かっただけだと思う、多分」


 俺は言葉尻を濁す。

 昨日の春香といい、今日の春香といい、あまり自信が持てないんだよな……。


「分かった。これからは仲良くなれるように、わたしも努力するね♡」

「お、おう。ありがとう紅葉」

「とりあえず青斗くんはあっちに座って待ってて。すぐに朝ごはんの支度するから」


 紅葉はキッチンへ行き、やっと俺は一息つける。

 まあ、なんとかなって良かった。


「てか、それよりさ……」


 俺が食卓の椅子に腰を下ろそうとした時、結珠奈が俺に向かって呟く。


「さっきの反応的に、兄さんってあたしらが戸籍上の兄妹にならないこと、気づいてたの?」


「……そ、それは!」


「つまり、っていうことも知ってたってわけ?」


 今度は結珠奈の鋭い指摘により、他の二人の視線も俺に集中するのだった。




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