第一審
数日後。
東京地裁にて、
「被告はジョン氏をナイフで滅多刺しにして殺害した上に、当時同じホテルにいた女性にその罪を被せようとしました。到底許されることではありません。検察側としては死刑を求刑致します」
そう言ったのは、検察官の
「異議あり! 殺したのは被告人ではありません! 無罪を主張します!!」
そう言ったのは、弁護士の
───カンカンッ!
「静粛に」
そう言ってガベルを叩いたのは、裁判長の
(頼むぞ……)
と、
「えー、先程配布した資料にありますように、犯行の様子がホテルの防犯カメラに映っております。また、現場に残っていた凶器と被告の指紋は100%一致し、被害者が遺したダイイングメッセージには"ころすやま"と書かれております」
「異議あり! これらの証拠は捏造です! 被告がそう言っているからです!!」
───カンカンカンッ!
「静粛に」
「弁護人、反論はありますか?」
「さっきから言ってるでしょう、検察の証拠は全て捏造です!」
「そうですか。では評議に移ります。皆様退出をお願いします」
♢
2分後。評議が終わり、被告とその他諸々が法廷に入る。
「主文は後回しにします」
裁判長は最初にこう述べ、判決の言い渡しをはじめた。
「理由として、被告の殺人や証拠の捏造を否認する材料が存在せず、被告の有罪が全面的に認められたためです」
そして主文を言い渡す。
「主文、被告人は死刑」
「いやだあああ!!!!!!!!!!!!!!」
かくて、裁判は終結した。
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