邯鄲(かんたん)
邯鄲 その1
男は地図を巻いて戻し、筆を
劉秀の一行は、
その間に一人、劉秀の陣営に加わった者がいた。一行が河内蒲陽に泊まって明けた朝である。劉秀らが
配下曰く「なんでも
配下が言い終わる前に劉秀は立ち上がり出向いた。一目見て、馬成と見て取れた。劉秀、馬君遷、良くぞ参ったと迎え入れ、自らの警護兵と為す。
そうして
ここに
その市を立てた日に事件が生じた。事は劉氏の宗族の
祭遵、三度目に
劉孺子、返して曰く「故に、この値で買おうと向こうは欲す。何をか問わん」
祭遵の目が細くなり、静かな口調で話す、曰く「いずくんぞ、お止めにならん」
劉孺子、返して曰く「市令、我の一言で汝を辞めさせられるも可なり」
劉秀、一族の小僧が祭遵に殴り殺されると聞いて、即座に祭遵を捕えさせる。
この時、
怒り
祭遵の事件の後も、劉秀が鄴に逗留していると、配下から目通り願いたいという者があると聞かされる。何者かと劉秀が尋ねると、二十ばかりの若造、
劉秀、会見の間に入ると、果たして、五六年前、長安で見知った男、鄧禹がいた。劉秀は鄧禹が七つ下であることを思い出す、今は二十二か。小僧らしい顔はようやく
劉秀、常にもあらず喜んだが、それを抑え、会うや尋ねて曰く「我は、爵を封ずるも官を与えるも為せる権を得れば、汝、遠くから来るは、仕官しようと言うのか」
きょとんとする鄧禹、劉秀の目が笑っているのに気づいて、
劉秀再び尋ねて曰く「そうだとすれば、何を欲する」
鄧禹、口調を整え答えて、曰く「只願わくは、賢明なる劉公の
劉秀、自らの問いが
劉秀曰く「左様か。麗華の様子は知らぬか」
鄧禹、陰氏の屋敷に出向いて言伝を預かるほど殊更の知己でも無かった。また河北の劉秀に至ろうと公言していれば、陰氏は言伝を頼んだであろうが、劉玄に薦められていた手前、妙な波風を立てるのも憚れて、宗族以外に行く先は言わずに新野を立っていた。
唐突に鄧禹は笑って、曰く「今気づきましたが、二つは
劉秀、二つとはと訊き返す。鄧禹曰く「「仕官しては
劉秀は行大司馬である。兼ねるとは
劉秀、鄧禹に返して、曰く「秀、禹にも言ったか。しかるに、陰氏はともかく、今の
鄧禹、劉秀の不安を思い、座り直して諫言する、今は皇帝劉玄が問題ではなく、大司馬劉秀が懸案であると、曰く「今上は
劉秀、鄧禹の
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