洛陽 その2
今、皇帝劉玄は、匈奴策は据え置いて、並び立った群雄に封爵し、すなわち租を認め統治を認め代々へのその権を認めて懐け、方や郡県が皇帝劉玄に服することを確かめようとする。
その洛陽で
劉秀、空を見上げて一言のみ返す、曰く「
口には出さねど我も都を離れたいと劉秀は思う。
劉玄にしても、劉秀を支配下で監視して置きたいが、こちらでも問題があった。劉玄は
徐州
特に黄河より北部の地域、
流れを変えたのは
馮異伏して曰く「大将軍、大将軍の悲しみは分かり申す。しかし時はそれを許しませぬ。願わくは
劉秀、伏したる馮異が何を言おうとするか悟って曰く「卿、
馮異、伏したる顔を上げると、普段はにこりと笑う顔が、真顔のままである。意は通じた、と馮異は
それでも、馮異は劉秀を皇帝劉玄の監視下の外に出すことを考える。このままでは、いずれ劉秀殿は害されてしまう。馮異、司隷校尉の主簿であれば、出入りする官舎にて様々な噂話を集め、皇帝劉玄が河北に威名ある武将を送りたいこと、その候補に劉秀が上がっていることを知り、これだと更に情報を集める。河北には勇将を送りたいが、その一方、事務を
曹竟・曹詡、河北で雑務を捌けるのはこの将のみと考え、河北に送るには
馮異は、劉秀に河北への派遣が決まりましたと伝え、人払いして曰く「天下は共に王氏に苦しみ、漢を慕うこと久し。今、皇帝劉玄の諸将は
劉秀はその通りと受け入れる。
まだ十月であった。劉秀、節を持ち、姉
南陽郡
潁川郡
男は机を起つと、また要用な物とそうで無い物を分けようとするが、どれも要るなと、只机の上を整理し部屋の外に出る。春である、物音に驚いて声を立てて鳥が飛び立った。
男はそれを眺めて曰く「我も、羽根を広げて飛んで行きたいものだ」
思うは、河北に自由を得た劉秀の晴れ晴れとした気分である。男は口に出して曰く「恐らくは
芽吹いた木々、
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