9話

場所は戦闘場、広場のその中心にて俺とエンカは向き合う…広場の端にはハカリとリン、何処からか俺達が戦うのを聞きつけたのか学生が少なからず居てその中にツクリとタモモも居たがハカリが危ないから自己責任だよー自衛してねーと言ってる最中、リンの応援が響く。


「今回は模擬戦だ…本当なら本気の殺し合いをしたい所だがハカリが何か考えてるみたいでな、それに乗るか乗らないかをこの模擬戦で決める」

「そうかい…ルールはお互いどちらかが参ったみたいなのを言うか気絶…殺しは無しって事でどう?」

「あぁそれで良いぜ!」


そう言い炎で作ったのか双剣で襲いかかってきたんですがまぁ戦いに始めも何もないもんな!。


背後から襲いかかってきたエンカの攻撃を前に飛ぶ事で俺は避けながらも不可視の一撃…斬撃をエンカ目掛けて重めなのをぶち込み本来なら吹っ飛ぶのをエンカは耐え双剣が伸びてきた⁈。


「うおおおおお⁈危ねぇ!」


思いきりが良すぎて顔に当たるかと…一応すり抜けを使い回避をするがその先にエンカが来る事を見通してすり抜けを継続し来た所を双剣による二振りの斬撃を乗せた攻撃をこちらも双剣を作り対応しつつ瞬時に足払いを行い崩れた所を…攻撃、いやこんな簡単に攻撃がとおる訳!!!。


「かかったなぁアホがぁ!!」


そう言われ攻撃したエンカが陽炎のように消え背後から蜃気楼のように現れたエンカにいつものようにすり抜けで…いやここは転移で目の見える場所に回避だ。


「さっきのすり抜けるのを使うと思ってたんだが…」

「多分君の事だもうすり抜けの原理には気づいてるんだろう?」


そうすり抜けは俺が分かってなければ発動出来ない…が一応出来はするが死角には弱い、あのまますり抜けを使っていれば対処されてただろう。


「ならもう使う事が難しくなったなぁ!!」


そう言い斬撃を飛ばして端まで行きそうなのを魂障壁で守り超高速で迫るエンカ。


「ほらほらぁ!!他の事に目を向けて良いのかよコン!!」

「マジかよ…ッ!!」


そうエンカは今、周りを顧みていないそう判断したコンは。


『第二形態にっ!!クソ!こいつの攻撃が早くて移行出来ない!』


そう避けに徹しながら双剣を作りコンはエンカからの連撃を迎え撃っていた。


「うおおおおおおおお!」

「おらおらおらおらおら!!」


互いに切り傷を作りながらもお互いに異能による回復を行っていた、このままだとマズいと判断したコンは敢えてエンカの双剣を食らう。


「ッ⁈!!」

!!」


エンカの魂に対し命令して吹き飛ばしそのまま第二形態には敢えて移行しなかった。


『第二形態は未完成、故にかっこいい…だからと言って頻繁に使うのはなんか頼りきりで嫌だ…ならば!』


また変な事言ってるとリンが遠くの方でそう思いながらもエンカは考える。


『やっぱ明らかに異能頼りだよなぁ?だがそれを逆手に取ってくる可能性はあるがこちらも異能を全力で出すか!』


突如エンカが消えまさかと思いすり抜けを発動させてると俺の胴にエンカが作り出した刃が出てきた…マズい、見えなかった。


「くっ!?」

「焦りは禁物だぜ?!コン!」


普通に蹴り飛ばされた…痛ぇけど病死した時に比べたらマシだ。


「やっぱなぁお前異能で色々と判断してんだろ?目で追えてねぇしすり抜けを使ったしよさぁここからどうするつもりだぁ⁈」


これは嫌だとか言ってる場合じゃない…第二形態に移行すべきだ、何処かSランクを舐めていたのかもしれない。


「ッ⁈この威圧感!ハハ!良いなソレ!理事長が欲しがるのも分かる!」


今回は今まで演出として出していたのを省略し、服を思いっきり脱ぐ感じで全身が蒼炎に包まれ消えた時、第二形態へと姿を変えた。


「これはどうだ!おらおらおらおら!」

「…」


さっきよりも余裕で回避する。


第二形態は姿と基本性能が変わっており、さっき言われてた異能による判断ではなくて体で判断出来るようになったといえる…ので。


「ガバァ⁈」

「隙あり!」


隙ありというかダメージ覚悟でほぼ腕力にものを言わせたんだけどね…エンカが吹き飛びながらどうやら分身…おそらく炎を用いた分身を俺の周囲に作り出した。


「数による暴力か…良いさ来いよ」

「その上から目線ムカつくなぁ!!」


多数のエンカが別々の攻撃を繰り出すがすり抜けつつただの高速移動で魂のある本体に近づき…即座に双剣で斬った。


「ッ⁈どうゆう!」

「分からないまま気絶しろ!」


そのまま俺は押し切るように双剣を捨てエンカの手を握り何が何でも離さないように拳を握って…。


「離しやがれ!!」

「ッ⁈あつぅい⁈けどッ!!」


火関連の異能なんだろうが関係ねぇ!このまま殴りまくる!!やっぱ無理手を離して…。


「うおおおおおおお!!」

「ッ⁈」


俺の異能で拳を作り攻撃しまくった…流石に模擬戦なのでふらついた所を俺の拳でぶん殴って吹き飛ばした…。


「ク…アァ!クソっタレ!」

「流石はSランク…まだ動くか…」


ふらふらと立ち上がりながらもエンカは何かを構え出しめた。


「何かくる!」

「火付きの…」


ッ⁈と動けなくなった俺とエンカのど真ん中にハカリが現れた。


「ハカリ⁈」

「おい!まだ俺はやれるぞ!」


驚く俺とまだやれると抗議するエンカに対しエンカへハカリは言う


「エンカ…それは流石にここの生徒会長として見過ごせないからね…もし使うなら本気の私が相手だよ…」

「チ…分かったよ分かったから解いてくれよ

「怖いから先にコンからね…」


そう言われ無事動けるようになって、エンカも動けるようになったのか此方まで歩いてきて。


「ひとまずは認めるぜ…不完全燃焼感はあるけどな…」

「むしろ楽しみがあって良いじゃないか…今の姿でもある第二形態は未完成だし」

「へぇ?こいつは良い事聞いたぜなら楽しみに取っておくぜまた戦ってくれよな!」

「あぁ…良いとも」

「とりあえずエンカは私と話があるからほらリンが君を見つめているよ?」


そう言われエンカとハカリが去り、リンがいる方向を見たら…高速でぶっ飛んで来た。


「ぎゃあああ⁈俺だから良かったけど心臓に悪い!」

「あはは!ごめんなさいねコン!なんだか居ても立っても居られなくって」

「多分心配だったんじゃないか?兎も角周りの人に攻撃が当たらぬよう守ってくれて助かったよコン」

「私も先輩と同じく感謝してます!怪我の方は大丈夫ですか?」


うん、大丈夫と言いつつ、ツクリが生徒会室に行こうと言いだしたのでそれに賛成して第二形態を解いて向かった、その頃先に生徒会室に着いたエンカとハカリはというと。


「大丈夫かい?エンカ、彼の…例えるなら魂への攻撃は結構効いたろ?」

「あぁ聞いたぜいつもなら傷を炎で燃やして無かった事にしてるが魂…か通りで結構、今疲れてる訳だなぁ」


そう、決してエンカが弱い訳ではなく次第に異能を操れるようになりつつあるコンによる攻撃は正に攻撃した相手に常に肉体と魂への

ダメージ…時間経過による治療でないといけないダメージを魂に与えてるのである。


「認めるぜ…しかもコンはまだ成長出来るときたしハカリ…お前の悪巧みにも乗ってやるよ」


そう言われハカリは。


「悪巧みと言っても条件が合わなければ意味無いんだけどね…早速説明するよ、今後ある記念式典…多分だけど襲撃が起きると思うんだ…一応その時の僕らは警備に回る予定だけどコンとリンも呼ぼうと思ってねどうかな?」

「そういや俺らは襲撃が起きるかも知れないって理事長に言われて警備に回るんだったな、けど呼んでどうすんだ?」

「もし襲撃が起きたらコン達には悪いけど活躍してもらおうと思ってねそれに多分だけどコンの事を理事長は異能で調べる事が出来ないんだと思っている…」


なるほどなぁ…なら記念式典についてはもう伝えてあるのかとハカリに聞くと。


「いやこれからだよ…一応君にも手伝ってもらおうと思ってね」

「これからかよ…まぁ良いぜ乗ってやるって言っちまったしよ」


タイミング良く生徒会室のドアが開きコン達がやって来た。


どうやら何か話し込んでた様子のエンカとハカリに聞こうとしてハカリが。


「お?丁度良いねコンとリンに話があるんだタモモもツクリもみんな座りなよ」

「ひぇ…なんかある時の会長だ」


また何か頼まれるんだろうかと思ってると。


「コン、近々記念式典が行われるのを知ってるかい?」

「いや初めて知ったよ何の記念だい?」

「このサルビア人類都市を築き上げてようやく50年の月日が経ったから記念にって式典をやる話さ一応見に来た人向けに色々と売ってるそうだよ」

「だそうだけどリンはどうしたい?俺は行くけど」

「何処か色々と知れる所に行ってみたかったけど気になるから私も行く!」


リンが言い今度はツクリが言う。


「私も行ってみたい…なんて」

「俺は行くのはやめた方が良いと思うぜ襲撃が起きるかも知れないからな」

「えぇ襲撃⁈やっぱやめときます!」

「会長が記念式典の警備をするって聞いてたからそんな気はしてたよ」


えぇ襲撃起きんのって俺もそう思ってたらリンが余計に行きたいと言い始めたので行く事になり…。


「うお?DTに連絡だ悪いが俺は先に失礼するぜ!」

「あぁ記念式典当日にまた」


そして五人となりハカリが話を始める。


「とりあえず記念式典には来てくれるって事で良いのかな?コン」

「あぁリンも行きたがってるし行くよ」

「兎も角当日までには報酬のDTをなんとか完成させるよ、お金の方も一緒に用意するから今日は疲れただろうし先にゆっくり休むと良い私達は生徒会の書類とかがあるからね」


そう言われたのでリンがさっき色々と知れる所に行きたいと行ってたのでまず先に図書館で過ごして待ってるとハカリ達には言いリンと一緒に図書館でしばらく過ごした…。


途中リンが大きい声を出して注意をされつつもやがて時間が経過し、ハカリ達が来たので食堂へ行き、飯を食いリンとは前と同じように一旦別れる事になってシャワーを浴びてハカリと雑談を交わし寝た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

切札…今の所Sランク相当の人達が使える生涯における忘れたくない思い出が力となったもの、世界を塗り替える程の力。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る