苦しみの中に幸せがあって、それはずっとあるものではないのかもしれません
- ★★★ Excellent!!!
登場人物みんな抱えている物があって、読んでいると、ダイレクトにその苦しみが伝わってきて、どんよりと心を重くしていきました。とてもよかったです。
それで、読み終えた後、彼らの幸せは何だったのか、ずっと考えています。苦しみの中で生きているのなら、この物語に繋がるまで、生きながらえさせる何かが彼らの中にあって、ずっと守って来たんだろうなと勝手な想像をしています。
誰かを悲しませたくなかったのか、
誰かの期待に応えたかったのか、
死ぬのが怖いから生きてきただけなのか、
みんなが生きているから生きるものだと思っていただけなのか、
その以外なのか。
生きている中で幸せを感じられる瞬間があったのは確かでしょう。
その瞬間が人生で一番幸せだったとしたら、その幸せがもう来ない未来がわかっていて、未来を望むべきものなのでしょうか。
未来を生きたいと思うのでしょうか。
そんなことを考えていました。
素敵な作品でした。