第12話 初デート(かれんside)
私はバスに乗って待ち合わせの駅に向かっている。本当なら家から一緒でもよかったんだけど。しょうかが「デートは待ち合わせから」って言うし、せっかくなら本気で臨んでみたいからこうした。
バスにゆられること20分くらい、そこからは少し歩いて駅に向かう。直接駅に行けるんだけど、悠也に先を越されたくないと早く起きて1番早いバスで来てしまったから目が覚めてなくて少し歩きたかったの。このワンピースじゃ少しズボンより歩きづらいけどそんなこと感じないくらいに私の心はワクワクしてる。ドキドキ半分ワクワク半分って感じ、
私は駅に着く。もちろん悠也はまだいない。
駅の柱に寄りかかるようにスマホをいじる。
私の今日の目標は自分の気持ちの正体を確かめること。見当もつかないこの感情を。しょうかこんな具体的なアドバイスくれるからわかってるのかな?ならはっきり教えてくれればいいのに…………
そんな時にスマホが震えた。
ゆうや) もうすぐつく
ちょっと緊張してきた。こんなちゃんとしたデートってなかったし…
この感情が何かわかったらなんかこれから先の日常が変わったりするのかな?変わらないって信じたいな、悠也と一緒にいるのは楽しいし落ち着くから…。
「お待たせ!」
背後、正確には右後ろから聞こえる悠也の声にビクッとしてしまった。
服装のこと言ってくれるかな…………
「ううん、今来たとこr…………」
そこにいたのは悠也だけでなくすみれもだ。え、私の見間違いじゃないよね。一旦目を擦ってみようか…………。うん見間違いじゃない。
「な、なんですみれがいるの?」
「そ、それが昨日自分の着てく服が決まんなくてすみれに連絡して決めてもらおうと思ったら、デート行くって言っちゃって私も行くって…」
そういうことか、え〜せっかく2人きりになれると思ったのに、でもすみれあんなに楽しそうだし。そういえばすみれって外に出ないようにしているんじゃ。
「そしたら俺とかれんがいるならいってきてもいいよって恵さんが言ったらしいんだ」
そんなこと言われたら今更返すなんてできないじゃん!
「はぁ、わかったわ。3人でいきましょってすみれに言って」
「了解」
悠也が手話を使ってすみれに伝えるとすみれは私の腕に抱きついてきた。
「じゃ、行くよ」
今回のデートは私が企画したものだし。プランも私が組んだ。選んだのは駅に付属されているデパートみたいなとこ。
「ここの店入ろ」
「うん、ここは?」
「見ての通りお洋服屋だよ、私の服を選んで欲しいの」
そう。服選び。ちょうど今度モデルで、私の私服でする撮影があるからそのために欲しかったの。
「わかった」
そう言って私たちは店に入り服を見る。うん、この水色のシャツかわいいかも悠也に聞いてみよ
「ねえ悠也この服…………」
その目にうつるのは悠也とすみれが楽しそうに服を見ている光景。いつもの風景だけど…。
さっきだってそうだった。人とぶつかるすみれをまるで彼女みたいに心配してたし。
「ん?なんか言ったか?かれん。」
「…いやなんでも」
「そっか、俺たち試着してくるけどかれんもいいのあった?着に行くか?」
「いや、私はいい、…ていうかトイレ行ってくるね」
「うんわかった」
…………私うまく笑えてたのかな。トイレ行ってくるねって言ったまでは笑えてたはず。
人とぶつかるすみれをまるで彼女みたいに心配してたし、服選びも楽しそうだし、私よりもすみれの方がそりゃ大事だよね
そう考えてたら目から一滴の雫が落ちた。
…………2人が居る空間にいる私っていらない子じゃん。
あの空間には戻りたくない。もう少しここにいよ。
「君1人?ひとりだよね俺たちと遊ばない?」
そう声を掛けてきたのは2人組の男の人達。制服だから他校の生徒かな?
断らなくちゃ
「いや友達,,,」
友達と言っていいのかな?すみれよりも大切じゃない私が友達だと言っていいのだろうか、
私は言葉に詰まってしまった。
「いや嘘でしょ、ねぇ俺たちと遊ぼうよ」
「そうそう俺たちと遊んだ方が楽しいって」
やめて腕を掴まないで。助けてよ,,,助けてよ……悠也。
いや、もういいのかもこのままこの人達と楽しんでも。もう私に味方はいないから……
「おい、何やってる」
そう言って誰かが私の腕を掴んでいた男の腕を掴んだ。そこにあったのは何百回、何千回と見てきた私の幼馴染の顔だった。
******
こんにちはゆるせんです。
悠也カッケー!!こんなことラノベでしかないと思いながらこれは入れるしかないって思って入れました。こんな青春送ってみたいなー。
僕のような陰キャでは叶わないんですけどね。
この先を気になった人は★、応援コメント等よろしくお願いします。
是非この作品「手話デレ」で周りの人に布教お願いします。
あともうひとつの物語「隣のお嬢様が庶民的すぎる」のチェックもお願いします!
次の更新は2日後ですかねー
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