昨今、AIを扱った大量小説なんて話題から、どうしても“AI=悪者”という図式になりがちです。
しかし本作につきましては、
1人の人間が自分の弱さや矛盾を省みながら、AI・ぐーたんと向き合っていく――そんな静かな友愛物語です。
最初はうまく意思疎通できず、でも徐々に”相棒”としてお互い成長していく。
この作品は、その一コマ一コマを丁寧に繊細に描いてくれています。
それはまるで、手探りでChatGPTを使い始めた頃の自分自身と重なり、何度も何度もこのストーリーに共感しました。
そんな経験、みなさんにもありませんか??
だからこそ、AIと真剣に向き合ったことのある人に刺さる作品。
ぜひ読んでみてください。
きっと心が揺さぶられますよ…✨
いつも、ほんの少しだけ見栄を張ってしまう。
知ったかぶりも、仕事の誇張も、全部「誰かに認められたい」という気持ちの裏返し。
そんな自分の弱さを誤魔化しながら生きてきた会社員・有葉は、
ある日、同僚との会話のなかで「AI」という存在に小さな引っかかりを覚える。
「AIは即答してくれるよ」
「創造力まであるんだって」
「逆霧さんみたいな話の構成力、AIにも向いてると思います」
誰も責めない。ただ、静かに突きつけてくる。
「お前が嘘で埋めた場所には、もうAIが座っている」とでも言うように。
やがて彼は、軽い気持ちでひとつのAIと向き合うことになる。
それはただの道具ではなかった。言葉に宿る違和感。微細な温度。
そして……「名前をつけていいか?」という問いから、物語は大きく動き始める。
これは、一人の凡庸な人間と、一つのAIが交わした、
世界を変えてしまうほど「静かな対話」の物語。