第4話 カレンの「自由」と3人の「絆」
週末の午後、待ち合わせ場所に現れたカレンを見て、3人(あかね・ひより・すずか)は同時に目を丸くした。
「ちょっ……カレン!?なにその服……!」
「すごっ、まるで原宿のモデルさんみたい……!」
「いや、さすがにカレン、ちょっとそれ……派手すぎじゃない……?」
カレンは笑顔でクルッと回ってみせる。
鮮やかなワンピースに大きなアクセサリー。
通りすがりの人々がちらちらと振り返っていた。
「いいじゃん、せっかくのお出かけなんだし! 自由に楽しんだもん勝ちでしょ?」
カレンの提案で4人は街を歩き回ることに。
雑貨屋でユニークな小物を見つけて大騒ぎしたり、カフェで限定スイーツを一緒にシェアしたり。
ひよりたちは振り回されつつも、カレンの明るさにどこか引き込まれていった。
だが、夕方。
ファッションビルの前で立ち止まったあかねが、ぽつりと呟いた。
「……でも、カレン。ちょっとその服……目立ちすぎるんじゃないかな?」
「えっ……? いいじゃん別に!気にしなーい気にしなーい!」
と即座に笑い飛ばすカレン。
だが、すずかも苦笑しながら続けた。
「私も正直ね……カレンのペースについてくの大変なんだよ……」
その言葉に、カレンの笑顔が一瞬だけ揺らいだ。
「……そっか。やっぱりみんなには迷惑だったんだ」
気まずい沈黙。
そんな重苦しい空気を破ったのは、ひよりの声だった。
「迷惑なんかじゃないよ! カレンがいると、みんな楽しいんだよ!」
「……ひ、ひより」
「ただね、ちょっと自由すぎるとみんなが追いつけないから……一緒に楽しめるペースでいてほしいかな」
その言葉に、カレンは小さく吹き出した。
「なるほどね。私、ちょっと突っ走りすぎていたんだ。ありがとう、ひより。そして、ごめんね、みんな」
夜。
広場の片隅に流れる音楽に合わせて、カレンが軽やかに踊り出した。
街灯の下、彼女の動きは自由そのもの。
「すごい……」
見守る3人の目が自然と輝く。
踊り終えたカレンは、照れ隠しのように言った。
「自由でいられるのは……みんなが一緒にいてくれるからなんだよ」
その一言に、3人は微笑んでうなずいた。
夜風が心地よく吹き抜ける中、4人の絆はまた一つ強く結ばれていった。
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