けもみみ雪娘とぬくもり修行生活 ~あやかし年下姉弟子に甘やかされる一日~
大宮コウ
トラック1 雪の出会い
本作は『第4回「G'sこえけん音声化短編コンテスト』ASMR部門』の投稿作品です。
コンテストの形式上、台本形式となります。
また、本作品は「一見落ち着きがあってクールだけど情深い白髪人外ロリ姉弟子いいよね……」の気持ちでお送りします。
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//遠くから聞こえる形で
//遠吠えのように響く声で
「あーお」
//少し間をおいて
//SE 雪の上を子供が歩いて近づいてくる音
//間を置いて
//ベースとして、感情の起伏が薄そうな話し方で
「……ねえ、そこのきみ」
「うん。きみ。子供なのに、こんな場所で一人でいる、きみだよ」
「……わたしも子供? まあ、それもそうかも。きみより、背も小さいから。そう見えるよね」
「それで、どうしてこんなところにいるの? もしかしてきみ……あやかし?」
//少し間を置いて
「うん、あやかし。人里に降りて、ときどき悪いことをする、いけないこ。違う?」
//少し間を置いて
「……違うんだ。まあ、そうだよね。きみ、弱そうだし」
「……でも、こんな雪が積もっている中で、屋根もなんにもない場所で立ってて、さむくないの?」
「それに、もうすぐ暗くなっちゃうよ。おうち、そろそろ帰ったほうがいいよ」
//間近で
//囁くように
「じゃないと、わるーいあやかしに、襲われちゃうかもしれないよ」
//距離を離して
「さっきも、聞こえなかった? 獣みたいな、遠吠えの声。あれ、あやかしの鳴き声だよ」
「この近くにもね、あやかしが住んでるんだ。しらなかった?」
「だから、ね。もう、帰った方がいいよ?」
//間を置いて
//帰る家がないと言われて
//きょとんとした感じで
「……そうなんだ。きみ、帰るおうち、ないんだ。そっか……」
//ほんのりと嬉しそうに
「おんなじ、だね。わたしもね、家族、いないんだ」
//間を置いて
「きみ、帰る場所、ないんだよね」
「なら、さ。わたしがいるとこ、来ない?」
「向こうの……山のふもとにある建物、知ってる? 森の中にある、ちょっとだけ寂れた、広ーいお庭がある、ちっちゃい道場なんだけど」
//道場? と問われて
//間を置いて
「……うん、道場。わるいあやかしを退治するために、修行するところ。わたし、そこでお師匠さまとふたりで住んでるの」
「そこなら屋根もあるし、ご飯もあるよ。お師匠さまは……きれーだけど、厳しいし。修行は……ちょっとだけ、たいへんだけど」
「それに、ね。おんなじ場所で、ずっと一緒に過ごしていたら、それは家族なんだって。お師匠さまが言ってたよ」
「きみが来たら……私にとってはおとーと弟子、ってことになるかな。うん、おとーとくんだ」
//囁き声で
//右耳から
「……それで、どうする? わたしのお家、来る?」
//肯定するあなた
//少し間を置いて
//少し嬉しそうに
「うん、来てくれるなら大歓迎、だよ」
//とっておきの隠し事を言うように
「でも、その前に……ひとつだけ」
「わたしの名前、ユキっていうの。私の髪、空から降ってくる雪みたいに白いでしょ……それに、ね」
//SE フードを脱ぐ音
「……驚いた? そうだよ、けもののお耳、だよ」
「お師匠さまは、ユキヒョウの耳、って言ってた。ユキヒョウっていうのはね……えっと……なんだろ。猫みたいな……トラみたいな……? そんないきものらしいよ」
「わたしも実物は見たことないんだけど、ね。お師匠さまがそう言うなら、そうなんだと思う。お師匠さまは、ものしりだから」
「あとはね……こう見えて、服の下にはながーくてしろーい尻尾もついてるんだよ」
「だからね、わたしはユキ。白い雪のユキ。ユキヒョウのユキ。それで……」
//囁き声で
//妖しく、楽しげに脅すように
//左耳の耳元から
「見ての通り、あやかしなの」
「人間そっくりだけど、人間のかたちをしているだけの、別の存在」
「人を取って食べちゃったりもする、こわーいあやかしのお仲間」
//距離を少し置いて
「最初に聞こえたって話した、このあたりで聞こえるあやかしの声もわたしのだよ」
「あおー……って。ほら、おんなじでしょ?」
「ここはわたしの縄張りだーって、よくやってるんだ」
「ここにいる人は、わたしのえものだぞー、ってね」
「……ね、こわくなった? いまなら、わたしのお家に来るの、なかったことにしてもいいんだよ?」
//少し間を置いて
//きょとんとした感じで
「……怖くない? むしろ、かわいい? ……きみは、その、変な人……なんだね」
「それとも、怖いとも思えなくなっちゃってるのかな……まあ、どっちでもいっか」
//SE 雪の上を子供が踏み、身体の向きを変える音
「じゃ、了承も貰ったことだし……一緒に行こ。早くしないと、帰る前に暗くなっちゃう」
「でも、向かっている間にわるいあやかしが出ても、わたしが守ってあげるから、安心して。あおー、って威嚇して、すぐに追い払ってあげる」
「きみはもう、私のおとーとくん、だからね」
「……そうだ、手、握ってよ。ユキって名前だけどさ、わたしの手、ふつうの人よりも、あったかいみたいだよ。あやかし、だからかな? それともユキヒョウって生き物がぽかぽかなのかな……まあ、どっちでもいっか」
//SE:手を握る音
//どこか楽しげに
//右隣から
「ふふ。きみの手、やっぱりつめたい。これじゃあ、家に着く前に凍っちゃうところだったね。危ない、危ない」
//優しげに諭すように
//右耳の耳元から
「わたしがいいって言うまでは、わたしの手、離しちゃだめだから、ね」
//SE 雪の上を子供が歩いていく音でフェードアウト
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