2限目、数学[ハムスター先生]

小さな体のハムスター先生は黒板に届かない。


そのため用務員さんに頼み、天井からぶらさげた紐に括られた状態で授業を行うことになった。


「ここは……2を足して……」


宙ぶらりんになりながら、小さな前足を必死に動かすが、チョークは一度も黒板に触れない。


先生は諦めもせず、空中でバタバタしながら口頭で解説を続けた。


生徒たちは真剣に耳を傾けるが、ノートはどのページも真っ白。

何を書けばよいのか誰もわからないのだ。


それでも先生は汗を飛ばしながら「これで理解できましたね!」と満足げに笑う。


チャイムが鳴った時、ハムスター先生は小さくため息をつき、紐に揺られながら呟いた。


「次回は……黒板に届くよう工夫しましょう」

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