第36話 粟粥地獄
間もなく、罪悪感に満ちたその「ファン」たちは、食器を手に戻ってきた。
しかし、彼らが運んできたのは、ご馳走の類ではなく、小山のように積み上げられた、湯気の立つ十数杯の粟粥だった。
彼らは熱心にテーブルを埋め尽くし、期待に満ちた眼差しで、先ほど「痔」だと汚名を着せられ、今や石化状態にあるクレイを見つめ、口々に言った。
「クレイ君、これは絶対に安全だよ!」
「そうそう、僕たちの故郷では、ひよこはみんなこれを食べて育つんだ!」
クレイは目の前の、この「善意」と「粟粥」で構成された、断ることのできない好意を前に、なんと、黙ってスプーンを手に取り、一口すすった。
彼の、あの「社会的死」によって完全に石化した表情が、この一杯の温かく、素朴な粥によって、少し和らいだように見えた。
みぞれとふゆこも、先ほどの『絶叫マンドラゴラ』の恐怖を経験した後、この、見た目は「絶対に安全」な食べ物に親近感を覚え、少しずつ口にし始めた。
食卓全体に、全員の顔に、温かく穏やかな表情が浮かんでいた。
─ (•ө•) ─
クスマを除いては。
彼の顔色は、あの「粟粥の山」を見た瞬間、『絶叫マンドラゴラ』を見た時よりも、さらに真っ青になった。
それは、驚きからくる、瞬間的な蒼白さではなかった。もっと深い、まるで全ての血の気を抜き取られたかのような、魂の奥底から来る灰白色だった……。
(ま……まさか……なんでまた、こいつなんだ……)
クスマの内面は、絶望の悲鳴を上げていた。
誰も知らなかった。クスマの故郷が、「粟の村」と呼ばれていることを。
そこは、粟以外、何も育たない、貧しい村だった。幼い頃から、彼は一日三食、一年三百六十五日、飲むのも食べるのも、全て、様々な方法で調理された、味の変わらない粟だった。彼の粟に対する憎しみは、とっくに骨の髄まで染み渡り、見ただけで胃が逆流しそうになるほどだった。
彼が必死の思いで王都へやって来たのは、まさに、あの粟に支配された、灰色の人生から逃れるためだったのだ。
結果、彼は、開校初日にして、最高学府の食堂で、再び、この故郷からの、名付けて「粟粥」という、断ることのできない「善意」に、完全に飲み込まれてしまった。
「師匠」ふゆこの声が、彼を思い出の深淵から引き戻した。「どうして召し上がらないのですか?とても美味しいですよ!」
仲間たちのあの「ああ、本当に美味しい」という幸せそうな表情と、目の前の、まるで永遠に食べきれないかのような「粟粥の山」を見比べ、クスマは自分の世界が、極めてゆっくりと、一寸、また一寸と、崩壊し、砕け散り、最終的に、一つの金色の、粘り気のある、絶望に満ちた粟粥の海へと変わっていくのを感じた。
そして彼の瞳から、初めて、王都へ来て以来の、後悔の涙が流れ落ちた(╥_╥)。
─ (•ө•) ─
「善意」と「粟粥」に満ちた、あの壊滅的な昼食を経験した後、クスマたち四人はどうにか、あの熱心な「ファン」たちに別れを告げることができた。
クスマは自分の心身が、消し去ることのできない傷を負ったように感じていた……。
その後、みぞれの提案で、彼らは満場一致で、これ以上何事にも遅れを取ることはできない、直ちにあの最も重要な問題を解決しに行かなければならないと決意した——トントン導師に拝謁することだ。
四人は再び、あの、いつ爆破されてもおかしくないと噂の三号実験室の大きなドアの前へとやって来た。
今回、ドアに貼られていた「不在」という紙はすでになく、ドアは施錠されていないだけでなく、少し開いており、その隙間から、かすかな光が漏れていた。
四人は視線を交わし、最終的に、クスマが意を決して、慎重にドアを押し開けた。
実験室の中は、相変わらず散らかっており、至る所に、彼らには理解できない器具や材料が山積みになっていた。そして、彼らがずっと探し求めていたあのトントン導師が、彼らに背を向け、地面にしゃがみ込み、一列に並んだガラスの水槽を熱心に観察しながら、何かをぶつぶつと呟いていた。
クスマが咳払いをして、挨拶をしようとした、まさにその時、トントン導師はまるで背中に目でもついているかのように、振り返りもせず、一足先に口を開いた。
「待ちなさい」
その声に、四人の心臓は一つ、鼓動を打ち損ねた。
トントン導師はゆっくりと立ち上がり、振り返った。彼女は他の者には目もくれず、その分厚いゴーグルの奥の鋭い両目は、真っ直ぐに、クスマの上にロックオンされた。
「もやし」彼女は言った。「まずは私の実験に付き合ってもらうわ」
彼女は背後の一列のガラス水槽を指差し、クスマはようやく、その中に入っているのが、何か危険な薬剤ではなく、一匹一匹、色が異なり、品種も違うカエルであることに気づいた。
トントン導師の顔に、あの、科学者が「興味深いサンプル」を観察する時の、特有の、不気味な狂熱の笑みが浮かんだ。
「あなたのあの『求愛信号』に、とても興味があるの」彼女は言った。「今回の実験観察の対照性をより高めるために、わざわざ種類も年齢も様々なカエルを一群、集めてきたわ。カエルのロリからカエルのお婆さんまで、全部揃っているわよ」
「……」
背後から、クレイが息を呑む音が聞こえた。
彼女は、あの、どこか「期待」に満ちた顔つきのカエルたちを指差し、クスマに向かって、最終的な指令を下した。
「さあ、あなたのパフォーマンスを始めなさい。あなたのために、最もプロフェッショナルで、そして最も熱心な観客を、準備してあげたわ」
クスマは目の前のその「観客」たちと、トントン導師の、断ることのできない、「学術的期待」に満ちた眼差しを交互に見比べ、ついに、この巨大なプレッシャーに耐えきれなくなった。
彼は自暴自棄に、力なく、二声、気のない声を上げた。
「グオッ……グワッ……」
次の一瞬、あの熱心なカエルたちは、まるでアイドルを見た狂信的なファンのように、一斉に、彼に襲いかかり、完全に押し倒し、飲み込んでしまった╰(〒皿〒)╯。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます