第16話 転職
「ところで、改めて確認したいんだけど2人のステータスって今どんな感じ?」
「私はこれです!」
――――――――
ルリ
Lv.15
職業:剣士
HP(体力):260
MP(魔力):115
ATK(攻撃力):31(+3)
AGI(素早さ):31
DEF(防御力):31(+40)
DEX(器用さ):31
LUC(運):14
ステータスポイント:21
スキル:スラッシュ Lv.3
――――――――
「これ…」
――――――――
シズ
Lv.15
職業:魔術師
HP(体力):260
MP(魔力):115
ATK(攻撃力):31(+3)
AGI(素早さ):31
DEF(防御力):31(+40)
DEX(器用さ):31
LUC(運):14
ステータスポイント:21
スキル:初級魔術 Lv.3
――――――――
(なるほど…ルリさんは物理アタッカータイプ、シズさんは魔法系か。)
今、パーティーにはアタッカータイプのプレイヤーしかいない。あとはヒーラーとタンクが欲しいところだが…
タンク役はダンジョンで良さげな虫モンスターがいたのだが、ヒーラーは心当たりがない。序盤ではヒーラーのできそうなモンスターはいなかったので、候補はプレイヤーということになるだろうか。
そして、俺もあと1レベルで転職だ。
転職でテイムに特化するのか、はたまた、別の職業に向かうのかは悩みどころだ。
奥に向かう途中でランクアップしたいところではある。
…
森林に入って数分後、森林オオカミの襲撃を退けつつ森の奥へ進んでいると、
―ピロン―
「おっ、20レベル到達だ!」
そして、職業選択画面が現れ…
―剣士
―武闘家
―弓使い
―盗賊
―僧侶
―魔術師
―獣テイマー☆
―スライムテイマー☆
―虫テイマー☆
「こんな感じの選択肢なんだけど、二人はどう思う?」
…
――――――――
クロガネ
Lv.30
職業:虫テイマー☆
HP(体力):640
MP(魔力):305
ATK(攻撃力):69(+3)
AGI(素早さ):69
DEF(防御力):69(+35)
DEX(器用さ):69
LUC(運):16(+5)
ステータスポイント:59
スキル:解体術初級 Lv.7
強化術 Lv.4
統率
テイム率上昇
テイム率上昇(虫)
――――――――
二人と相談した結果、パーティーの戦力として新たなモンスターをテイムすることを考え、虫テイマーへと転職することになった。
(今後、ダンジョンで虫をテイムすることを考えると、やはり虫テイマーがベストだったとは思うが…)
悲しいかな、俺は実のところあまり虫が得意ではない。
ダンゴムシ程度であれば何とかなるのだが、クモ系やその他足が多い系はかなりキツイ。
「でも、星マークってレアってことですよね!私もレア職業就いてみたいな~」
ルリさんはそう言うが、レア職業にもデメリットはある。人口の多いメジャーな職業は開拓が進み、スキルの最適解などの情報が手に入れやすいが、レア職業はそもそも就いている人が少ない。
「まあ、レアだからその分情報が少ないっていうデメリットもあるけどね。」
「それでもやっぱり憧れますよ、全プレイヤーで自分だけの職業とか!」
憧れは止められねぇんだ―ってやつだろうか。
「それに、初見殺しが可能…」
「確かに、それはあるかも。」
シズさんの言うように、情報が少ないということは、裏を返せば対策が取られにくいということでもある。将来的に対人戦コンテンツが実装された際、自分の情報を相手に知られていないというのは大きなメリットだ。
…
現在俺たちは雑談をしてパーティー仲を深めつつ、森林の奥に向かいながら卵を集めている。
「あっ、鳥の卵発見!」
木の洞にあった鳥の卵をルリさんが発見して戻ってきた。
マップを見ると、もうすぐで森林の最深部に到達しようかという位置。各々様々な種類の卵を10個程度は集めることができた。長時間歩きっぱなしだったので、大きな木の根元で少し休憩する。
「森林オオカミだけかと思ったら、色々出てきましたね!」
「フェアリーがきつかった…」
「俺はでっかい鳥が嫌だったな~」
この森林、オオカミしか出ないのかと思いきや、中腹を過ぎたころから多種多様なモンスターが出現してきた。
シズさんの言う『フェアリー』は小さすぎて攻撃が当たらず、結局逃げることになり、俺の言う『でっかい鳥』は上空からの攻撃で有効打を放てず苦戦した。最終的にはスライムのバフを受けたルリさんが、俺の制止を振り切って木の上からジャンプ攻撃を行い、撃墜されることとなった。
休憩も終わり、いよいよ最深部と皆で向かうと…
―クルルルル…クルルル…―
竜がいた。
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