読者の我々と「何か」とのお話
おむすび
ある話
やぁ、皆さん。こんにちは。
この小説を読みに来てくれてありがとう! これから面白い話を一緒に見に行こうね!
え? 僕が誰かって?
そんなことはどうでもいいさ! さぁ早くいこうー。
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
見てご覧、あれは一組のカップルだ。
つい先週、男の子が女の子に告白して付き合ったみたいだよ。幸せそうだね!
彼等はどこへ行くのだろう?
ついてってみようー。
彼等はあるゲームセンターに入っていったね!
付き合って1週間でゲームセンターか、!
僕は初めての彼女を付き合ってから1ヶ月でようやく映画に誘えたよ、。僕はチキンだね、。
え? 僕が何者かって?
そんなのどうでもいいじゃないか。
それよりも、ほら! ぬいぐるみが取れたみたいだよ! 三千円くらい使って、あのサイズ、w
正直、ウケるねw
あっ、もうゲームセンターから出て行っちゃった、。
早くない? もうちょっといてもいいのにー。
…。
君も気づいた? あれ? 気づいてない?
あのカップルを陰からチラチラ見てる「奴」がいるのを。
え? どれかって?
あれだよ。右側の奥のほうの電柱にいるやつ。
そうそう! それそれ! 真っ黒なマスクとサングラスの男!
あれ、なんか、動き出したね。
何をしているのかな?
何か、持っているね、?
「刃物」、かな?
待って待って! うるさいうるさい!
そんなに大きな声で「気をつけろ!」なんて言ってもあっちには聞こえないよ。
あっ、走り出したね。
…。あーあ、奇声発しながら襲うのはだめでしょ、。不意討ちにならないじゃないか。
ほら見ろ、男の子に躱されちゃったじゃないか。
挙句の果てには、取り押さえられちゃって。
ん? 何? なんでそんなに危ない男の方の味方につくのかって?
まぁ、一応、「誓約」だし。
「誓約」について気になるだろうけど、このあと“嫌でも“理解できるから安心してね。
おや、男が何か言っているよ?
「くそが! お前らなんて俺が手を下さなくても、呪いで死ぬんだからな! 「誓約」でお前らは呪い殺されるんだよ! そして、読者のあんたらもな!」
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あちゃー。あいつ、だめだね。
「誓約」のこと、他言しちゃいけないって言ったのに。
代償は、あとで貰いにいくか。
さて、君に説明しなきゃいけないことが幾つかある。
まず、僕は神様でも、悪魔でもない。
「何か」なんだ。
神聖な存在でもあるし、穢れた存在でもある。
そんな、言葉では表せないもの。
そして、「誓約」について。
僕があの男と結んだ誓約は、「彼の願いを叶える代わりに、代償をもらう」というものだ。
そしてそれは、他言無用であり、口外すると「罰」が下される。
…。ん? 「代償」ってなんだ、だって?
そりゃもちろん、契約者の命だよ。
とはいっても、全て貰うわけではない。
半分さ、残り寿命のね。
でも、あいつはだめだね。全部貰うよ。
口外してしまったからね、「誓約」のことを。
え? あいつが言っていたことを聞いたから俺等も殺されるのかだって?
そんなことはないよ!
だってそんなこと言ったらさ、人類滅亡させたい人がいたら、ニュースに出たいとか言い出してそこで「誓約」の話しだすやつがいるかもじゃん?
あ、それなら普通に「人類滅亡してほしい」って願うかw
…。その顔、じゃあなんで俺等は呪い殺されるのか、って聞きたいみたいだね。
簡単だよ。
“そう、願われたからさ。あいつに。“
だから、ごめんね?
楽しかったよ、短い時間だったけど。
“さよならー。“
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あーあ、また、一人になっちゃった。
あのカップルの処理も終わったし、代償も頂戴してきた。
あれ?
君、来てくれたの!?
誰って、君だよ君!
この小説を読みに来てくれてありがとう! これから、面白い話を一緒に見に行こうねー。
読者の我々と「何か」とのお話 おむすび @nsgkren
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