やさしいポケット



さわやかすぎる

雨上がり

アスファルトに写った

キミの横顔はセピア色


コンビニの灯りが 切なくひかる

僕らの影だけが、そこにはなかった


最初でさいごの

キミとの 夏のひ

音もひかりも そっとひそめた


ただ、夜空に消えていく

煙の行方を ふたりだまって

眺めていたね


情けないかな

改札口で手を振るキミに

言いたかった言葉は 喉の奥



始発の電車が動き出す

遠ざかる僕らの季節


あぁ

もう二度とあの坂道で

キミと並んで歩くことはない


それでも、ポケットの奥に

あの日の切ない風が

まだ吹いているよ

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