噂の"恐ろしい"場所に行ったら、なぜか"可愛い"のじゃロリ(?)少女に癒されてしまう!?

齋藤 リョウスケ

プロローグ

 満月が闇夜を照らす中、ザクッ、ザクッと土を踏みしめる音が辺りに残響する。不意に吹き荒ぶ冷たい風が、草木をカサカサと不気味に音を立てさせる。

 何処か少し、寂しさを感じさせる。


 少し歩くと踏みしめる地面が土から石畳へと移り変わる。カツン、カツンと軽快な音を立てているが、その足取りは重い。


 気がつくとそこには、こじんまりとした木製のやしろが建てられていた。その佇まいは何処も朽ちておらず、意外にも綺麗であった。もはや、最近建てられたと言っても不思議ではない。

 その社の手前には少々立派な賽銭箱が置かれており、神様を呼ぶ為の鈴も燻みがあまり無かった。まるで、誰かが掃除でもしたような……。


 懐から財布を取り出し、小銭を一枚手に取る。そして、賽銭箱へ。チャリンと小銭が跳ねる音。

 次に鈴を鳴らす。カランカランと少し軽い音が鳴り響く。

 居るか居ないか分からない神様に二回礼をする。そして、パンパンと二回拍手をし、心の中でを唱える。もう一度、礼をする。


 徐に頭を上げると賽銭箱に一人の少女がちょこんと座っていた。綺麗に整えられた白い着物を装い、色白なその顔は可憐であった。

 目が合い、ハッとして逸らそうとするも、どうしてか離す事が出来ない。あたふたしていると、少女は目を閉じてクスクスと華を咲かせて笑った。

 そして、もう一度、目を合わせた。

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