*オイック湖の伝説

スコットランドやアイルランドの大小関わらず全ての湖沼に、怪物伝説があると言っても大袈裟ではないでしょう。ネス湖のネッシーやお隣の湖、モラー湖のモラーグなどが有名なところですが、ここでお話しするのはもっと小規模な沼や池に纏わる伝説です。現地で水の怪物はペイステやケルピーと呼ばれ、子供達が水辺に近づかないようにする戒めとして語り継がれています。


ネス湖と繋がるオイック湖では、たてがみを持つ馬のような生物が、子供を背に乗せ溺れさせる伝説があります。美しい湖は人を魅了し、そこでの水難事故の記憶が怪物像を作り出していきました。


しかしネッシーを初め怪物の目撃情報は後をたたず、オイック湖の怪物も例に漏れません。そのことは怪物にディテールを与え、伝説を裏づける証拠として語られていきますが、社会的に地位のある人物の目撃証言は、科学的見地と混同されがちで、そこには心理学やオカルト学の要素も含まれていることを見逃してはいけません。冷静な客観を持ってして正確な観測は行われるべきなのです。


人間の恐怖心が生んだ想像の怪物はいつしか身体を得て一人歩きしていきます。

湖沼の怪物伝説で語られる水馬とはどんな姿をしているのでしょうか。目撃情報の真偽も含め考察していきたい。



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