2話 狂っていく歯車〜The end point of the beginning and the end〜

トーナとの話後、僕はあるやつの所へと向かった。


「おい、、、どういうことだ?ヘル。お前はしっかり屋敷にいたと他の悪魔含め聞いているのだが、、、な?」


俺はヘルを室内に呼び出しキレながら創造で作り出して玉座でヘルを待っていた。


「、、、なんのことでございましょうか?アラル様。私はしっかり屋敷におりましたが?」


ヘルは悪魔でもしらを切るつもりらしい。


「そんなので僕を騙せると思っているのか?確かにお前は大悪魔だ、、、だがな、、、それはたかが肩書きだ。俺も世界最高の冒険者が肩書きなだけのガキだ、、、だが、努力しているからこその最強だ、、、さて、、、俺を騙すことは出来ねぇ、、、それでもまだしらをきるか?」


ヘルからは焦りの感情が見える。


「え、ええ。私はそんなことーー」


ヘルがそこまで言うと俺の刀が目の前に落とされる。


「お前が自分の意見を貫きたいなら、俺に一太刀入れてみろ。そしたらお前の意見を事実として受け取ろう。死なないように頑張れよ?」


ヘルは俺の天双剣を構え、俺は幻死蒼剣を構える。


「振り返ってみると、色々あったな。お前と会って、色々遊んだな、、、だが、それも今日で終わるかもしれないと思うと辛いな、、、だが、やったのはお前だからな、、、生きて、、、また遊べることを祈ろう。」


そうして俺は手加減無しで最初から押していく。


「僕は世界の嫌われ者。いくら罪から逃れようとも、世界の神はそれを見逃さない。

罪は必ず僕に始まり僕に終わる。

生という名の生まれてきたという大罪。

死という名の定められた運命を否定した大罪。

孤独に生きた最強の神。希望と崩壊を操る半神の領域。

生と死すらもこの冥界という世界では無に帰す。

崩壊と希望溢れる桜の世界。


冥神魔法 死生冥崩希桜ー序曲」


ここから先は後戻り出来ない。あと残りがあるのが嫌だから早めに終わらせたい。


「君を思って描く最高の景色はいつしか新たな記憶へと変わる。

世界がいくら否定しようとも俺はこの光を否定しない。

孤独の僕を救った貴方に送る最初で最後の歌世界。

冥神魔法 否歌冥光桜ー間奏曲」


僕は前世の姿でヘルに刀を構える。


「先に言っておく、、、嫌いじゃなかったよ。」


縮地法でヘルの足元までいき、至近距離で斬撃を放つ。それは普通の斬撃ではなく、防御を不可能にさせる、死の斬撃だった。


「くっ!?、、、ええわかりましたよ主、、、私は貴方に救われてから色んなことがありました、、、絶対に“あの頃に戻してみせる!”」


天双剣で死の斬撃を流す。確かに本来なら一瞬で消されていた。だが、アラルは天双剣をヘルに渡している。天双剣の特殊能力は能力無効化。故に、死の斬撃ではなく、普通の斬撃へと変わる。そうなってしまえば、弾くだけでいい。初撃で終わるはずだった戦いが何手も続く。だがどう足掻き攻めても、アラルには攻撃が届かなかった。


「、、、ヘル、、、君は頑張ったよ。、、、楽しかった。

天の星に願った思い、それは届きもしない淡い思い。

だがそれは孤独の王によって叶えられる。

だが孤独の王に救いはない。

崩壊と希望、孤独の物語。


完全術式型魔法 古天神焉桜世界ー終曲」


かつて青ちゃん先生にやった絶対死の術式魔法。本当は数手でヘルに一撃を貰いたかった、、、だが、あいつは、、、攻撃に意志を感じなかった。何故か、、、俺の第六感が伝えた。“何かがおかしい”と。ここで早くしないと、全てがまた台無しになると。


「、、、ばいばい。ヘル。【神聖剣具】」


黄金に纏われたアラルは少し悲しそうにヘルに向かって政宗を振るのだった。


煙が晴れ、ヘルがいたところに何かが落ちているのが見えた。


「俺の剣と、、、対魔の手紙、、、わざわざ隠していたんだ、、、なんか書いてるだろ、、、」


そして俺は手紙を開いた。


『この手紙を開いている人へ。

出来れば主であることを願います。

私から伝えることは三つ。感謝と謝罪と警告です。

2年前。アサネ嬢を殺ったのは女神です。

そしてそれを助けれなかったこと。

そして、私をあの時助けてくださってありがとうございます。今でもそれだけは本当に思っております。そして最後に、、、女神は人を操ることが出来ます。いつでもあれは見ている、、、どうか、、、生きて、、、ください、、、

ヘル。』


私はその手紙を見て、また何かを失ってしまった気がした。


「、、、女神、、、か、、、あんなの女神じゃなくて死神だろ、、、七大罪、、、これからあのクソ神を殺る準備へと移る」


「はっ!仰せのままに!」


これは狂わされた世界を元に戻し、僕がハッピーエンドを目指す、そのための犠牲をともわない、そんな、僕の物語だ。

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