乙女ゲームの隠れチートモブ〜誰にも知らないキャラを転生者は知っていた。〜

1章 二幕 運命の出会い

プロローグ 主人公とアカネVSアラル

これはリバイリアに呼ばれる前の出来事だ。

「さて、、、倒しに倒して先生のギャラをもっと増やさせてくれ〜」

「あらるくん、そんなにがめついといつか足元すくわれるわよ？」

俺がふざけて言った言葉に対して真面目に返してきやがった。

「、、、おふざけってくらいお前ならわかるだろ」

「ぇぇ、知ってるわ。こっちもおふざけよ」

互いに見知った顔。だからこそ手札は知っているが、それでも目の前の光景に首を傾げてしまう。

「違うクラスのやつと戦うのは別にいいんだが、、、なぜそれなのかだけは教えてくれないか？」

「そこら辺で倒れてたから戦力外でも肉盾にすればいいかなって」

ああ、僕は確かに使えるものは使え。倒れてるやつも肉壁にはできるからなと言った、、、だがな、、、

「んーんっんー！」

絶対縄を付けて身動きとれないようにして、それも起きた相手を肉盾にするのは、、、少し違うんじゃぁ？

さすがの僕もこのS差には血の気が引いてしまった。

相手はそれを見るとチャンス！かのように攻めようと開放された聖剣で素早く切ろうとしてくる。

「、、、さすがに、、、ドン引きだわ、、、」

僕は軽く離れると木刀を構えなるべく深く構える。

「アカネ、これから俺は全スキルを解く。無の状態で勝ってやる、、、こい！」

「そんな舐めプで私に勝つなんて無理よ！ファイアボール!!」

火の玉が俺に向かって飛んでくる。もちろんスキルは使っていないため、動体視力も少し落ちているが、、、この世界水準でも最高値辺りに属するだろう。

「舐めてない、、、弱気の本気ってやつだ。」

魔法を木刀で弾くと、アカネに近づく。

バシッ!

確かな手応えを感じたが彼女は無傷、、、となると、、、

「ガチでやりやがったか、、、ありゃ痛いだろ、、、」

抵抗するさせて貰えない俺にのされた主人公がいた。

「だが、咄嗟の判断は目を見張るものだな。まあ、守るものがあれだが、、、」

「私も常日頃強くなっているのよ！あなたに近づきたいからね！」

確かに頑張りは認められる、、、だが、問題は何故人を使って防いでいるのかだ、、、人の心とかないんかな、、、誰だよこんなこと教えたのは！“使えるものは使ってけ”あ、俺か。

そんなボケツッコミをしていると迷いの無い綺麗な型の突きが放たれた。

「ま、その実力と、努力は目を見張るものがあるし、認められる、、、だがな、使い方ってのは、他にもある。」

主人公を掴んで、アカネに向かって走り出す。

「、、、なんのつもり？私が躊躇するとでも？誰でもまとめて突き通すわよ。」

「躊躇うってのはないんだな。だが、そんなののためじゃねえ、よ！」

間合い4歩前で止まり、主人公を投げ、死角に入る。

「舐めてもらっちゃ困るわね！」

主人公を蹴り飛ばして、彼がいたところを見るも、時すでに遅く、

「チェックメイト。」

後ろに小型のナイフを持って既にあかねの後ろに立っていた。

「完敗ですね、、、最後どうやったか教えて貰っても？」

武装を解くと、僕もナイフを下ろす。

「いいよ。投げた瞬間、君は何に意識を集中させた？」

僕はナイフをくるくる回しながら彼女に問う。

「それはもちろん、あなたの動きをーーいや、多少蹴りにも意識をした、、、まさか！」

「あぁ。君のその少しの意識を誘導して背後を取ったんだよ。」

そして、また次の生徒の所へと走ろうとしたのだが、、、

ヒュイ

小さく、私が考えた合図が聞こえた。

僕はすぐさま路線を変え、其方へと走るのであった。