第35話 ダブル不倫デート

「こんばんわ。今日は、お話を聞かせてもらおうと思って。ありがとうございます。」

 野口、太田コーチが私たちを迎える。

「お忙しいところ時間を作ってくださって、ありがとうございす。」

 晴美さんと太田コーチ、私と野口コーチが隣り合って座った。

 「今日はいっぱいテニスの話をしましょう。」

 と野口コーチ。

「アルコールが入った方が話しやすいでしょうから、先にちょっと飲みましょう。」

 4人でアルコールやおつまみをとって、口に入れる。最初は、当たり障りのないテニスの話から始めた。

「テニスって本当に楽しくて、運動にもなるし、友達もできて。私たちスクールで友達になったんです。」

「もう、夢中になって、また新しいラケットも買っちゃって。それで、試合にも出てみないなぁ、なんて思ってるんです。」

「それは、いいことですね。試合に出て勝ったり負けたりすると、もっとテニスが上手くなりたいって思いますよ。」

 野口コーチは、いろいろ親身になってアドバイスしてくれる。ああ。やっぱり素敵な人だ。この人とだったら恋愛できそう・・・。

 ここで、晴美さんが作戦を発動した。

「実は、大会に出たいんですけど、もうちょっとうまくなったら、と思って、クラスを変わってみようかなって。」

「お2人は、スクールの今のクラス継続するか悩んでいるんですか。」

 太田コーチが、作戦どおり話を切り出した。

「野口コーチの教え方が悪いってことじゃなくて、なんか環境を変えたら、もっとうまくなるかなぁって。」

「テニスは急に上達する時と、上達が止まってるて感じる時があって、お2人は今、上級者へ進む、ちょっと手前なんですね・・・だから、もう少し頑張ってもいいと思うですね。」

 熱心に話す野口コーチ。

「そうなんですか・・。じゃあ、私は、もうちょっと続けてみようかな。コーチの言う、とおりに。瞳さんは?」

 と晴美さんが、私に話を向ける。

「私は、そんなに時間的に余裕がなくて・・・・。」

「そうなんです。野口コーチ、瞳さんの話をよく聞いてあげてください。」

「あ、私、そろそろ帰らなくちゃ。娘が塾から帰ってきちゃう。」

 晴美さんが、席を立つ。

「僕、送ります。」

 太田コーチも席を立って、出口へ続く。

「じゃあ、野口コーチ、瞳さんをお願いします。」

 晴美さんは、私に目配せをして、個室を出て行った。


 私と野口コーチの2人が部屋に残った。いよいよだ。



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