第3話 夫の日常

「ママ、おはよう。」

 目を覚ますと、瞳はもう起きていて朝食の支度をしてくれている。

「パパ起きたの、おはよう。ごめん、明日香と拓也に声かけてきて。」

「分かった。お~い。明日香ぁ~。拓也~。朝だぞ~。」

 顔を洗って、テーブルにつくと、美味しそうな朝食が用意されていた。

「いただきます。」

 食べ始めると、

「パパ、ママ、おはよう~。眠いよ~。」

「早く食べちゃいなさい。」

「は~い。」

 いつもと変わらない、明るいわが家の朝の風景。


「じゃあ、行ってます。」

「行ってらっしゃ~い。」

 子どもたちが、食べながら声をそろえる。

 瞳は、玄関まで見送ってくれる。

「行ってくるよ。

 思い切ってハグをしようとすると、今日もやんわりと腕を抑えられた。

「行ってらっしゃい。気を付けてね。帰りは?」

「遅くなるかも。ちょっと商談が入るかも。」

「分かった。その時は、LIME頂戴ね。」

 手を振って、玄関の扉を閉めた。


 いつからか妻は、俺に触れられるのを避けるようになった。

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