愛の喪失

@shalabon

第1話 プロローグⅠ

「やったぁー。」

「勝ったぁー。」

 娘の明日香あすかとパートナーの美樹ちゃんが都大会出場を消めて抱き合っている。

 俺と妻のひとみは、娘のテニスの試合を応援に来ていた。

「おめでとう!美樹ちゃんありがとう。ナイスサーブだったよ。」

「ありがとうございま~す。」

 日焼けした顔に、満面の笑顔の美樹ちゃん。

「おめでとう。ナイスゲーム。」

 明日香にも声をかける。

「応援ありがとう。やった~。都大会だ~。」

「よかったわね。ボレーうまくなったわ。」

 妻の瞳も声をかけていた。

「ありがとうございます。明日香ちゃんのおかげです。よかった~。」

 美樹ちゃんのお母さんがお礼を言ってきてくれた。

「何言ってるの~。美樹ちゃん。すごかったじゃない。」

 瞳と握手して母親2人で喜び合っているのを、俺は、傍らで見ていた。


 明日香と美樹は、地区大会3位に入賞、表彰式を終えた。メダルと賞状を手に、みんなで記念撮影。親たちは、先に帰路についた。

「明日香のパパとママ、ほんとに仲いいよね。いつも2人で応援に来てるよね。」

「そっかな~。」

「そうだよ。うちなんか、今日の試合、来週だと勘違いしたパパが接待ゴルフ入れちゃってさ、ママがマジギレしてたもん。」

「ケンカするほど仲がいいんっていうじゃん。」

「いやいや、もういっつもだよ。」

 そういう美樹は笑顔で話していた

 うちは、ケンカしたところは見たことないけど、やっぱり仲いいのかな。


「ただいま~。」

「お帰り~。お疲れ様。今日は、料理もできなかったし、パパと相談して祝勝会ということで外で食べようと思うけどいい?」

「うん。じゃあシャワーだけ浴びさせて。」

「やった~。」

 大喜びしている弟の拓也の声を背に、

 やっぱりうちのパパとママは仲いいかな、と明日香は、思った。



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