第12話 脈打つ感じが生々しい
手コキ。男性器を手でしごいたりして射精に導くこと。男性が自分のチンポを自分でしごいて射精すれば自慰行為になる。手の平で作った“筒”を女性のアソコと見立ててチンポを差し込み、その筒を上下に動かす疑似セックスをして慰めるのだ。男性は精通後どんどん精子が貯まるから何日かに1回放出しなければならない。女性とセックスして膣内に出せれば一番良いが、ほとんどの場合は自分の手等で処理するらしい。それでも十代の内に疑似ではない本物の女性とのセックスを体験できれば実際の感触や温もりを知れて力加減等を調整できるが、いつまでも経験が出来ない高齢童貞は悲惨だ。より強い刺激を求めて力強くチンポを握って激しく動かすようになり、長年続けるとそれに慣れてしまって、いざ実際の女性とセックスする機会を得ても女性の体でイケなくなってしまうらしい。練習のし過ぎで故障して、試合を休場するスポーツ選手みたいだ。精液が溜まるのは生理現象だから仕方ないが、疑似行為で満足したり、刺激に溺れるのではなく、実際の女性とのリアルな体験をもっと大切にしてほしいものだ。
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幸か不幸か私は咎革(TOGAKAWA)の毬村編集長に気に入ってもらえたようだ。定期的に夜のホテルへお声掛け頂くようになったが、その見返りとして「東京Pedestrian」にも定期的に出演できている。「フレームズ」HP内の私のプロフィールで、出演実績として「東京Pedestrian」を上げた事で私が五島カオルだと知ってもらえるようにもなった。
これは私の涙ぐましい頑張りの成果である。合コンやデートで男性に誘われて一緒にご飯に行っても、編集長の言いつけを守り誰ともエッチな事はしていないし、不意の告白をされても全て振った。中には「この人いいかも」と一瞬ときめいた男性もいたが、仕事のために振った。まあ、これは私がこのまま芸能活動を続けていければ、いつでも好みの男性を取り戻せるとか、もっといい男をゲットできるという自信の裏返しでもある。実際、大学など身の回りだけでも男からのお誘いが絶えないし、「東京Pedestrian」を見て私を気に入ってくれた人達が自発的にファンクラブ的なものを立ち上げたという書き込みや、私の方は顔を見たことが無い老若男女が私を褒め称える書き込みをしてくれている。
「カオルちゃんの“彼女感”が良い。特集を読んでいると一緒にデートしているみたいだ。」
「可愛いだけじゃなくて、「デートの後でエッチしたいな~」って思えるような色気もある。」
「有名なお嬢様大学の大学生らしいね。大学からの編入組らしいけど確かに綺麗だ。」
「近寄り難いご令嬢ってよりも、親しみやすいミスキャンパスって感じ。」
「まだ十代なのに既に顔も体も完成している。たぶんコンプレックスとか無いんだろうなあ。」
と、こんな感じだ。咎革の「東京Pedestrian」に出たことで私のプレゼンスが上がり、定期的に出続けていることで私の女性としての価値は上がり続けている。“枕”で人為的にチャンスを作ったとはいえ、世の人の目に触れれば、私は「美しい」と評価してもらえる事が分かったし、私は神戸だけじゃなく首都東京でも通用する美女なのだと自信が付いた。
もう一つの私の頑張りは編集長と過ごす夜だ。「Pedestrian」に出続けるために編集長以外とエッチな事をしないという命令を守っている他、編集長との夜に苦々しい思いをしながら耐えている。編集長から連絡がある時は決まって「溜まっている」時らしくて、会ってすぐに押し倒されて入れられるし、一度満足させた後も私が編集長に営業と言う名の“おもてなし”をしなければらない。セックスまでしているのだから一緒に浴室に入って背中を流すとかなら何とか我慢できたが、フェラだけは慣れないし我慢ならない。どうしてもあの生暖かく気持ち悪い形状のモノを口に入れるのが嫌だし、しかも塩っぱい、酸っぱい、ニガイなどその時々で味が変わるが、いずれも美味しくはない。ずっとやらされていると口や顎が疲れて口を動かすのを止めたり、口を離してしまい、編集長からも「上達しねえな~」と怒られる。高校時代の女友達が口だけで彼氏をイカせたと自慢していたのを聞いた時は心の中で馬鹿にしていたが、自分でもやってみて、今は素直に「愛情と技術が成せる自慢に値する業だ」と考えが変わった。もしかしたら同世代の男性のチンポならば匂いや味が違うのかもしれないが、形状や体温は大差が無いはずなので、私は相手が彼氏だとしても自ら進んでフェラをしようとは思わない。
中々フェラが上達しない私にフェラと並行して他の事も教え込もうとしてくる。私が後に延べ何百本と抜くことになるチンポの手コキを教わったのも編集長への枕営業の時だった。最初は、仁王立ちの編集長に私が正座して下手くそながら一生懸命フェラしていたが、編集長を満足させることが出来ないまま疲れて口を離してしまい、呼吸と体勢を立て直している時だった。
「なあ、カオルちゃんは男が射精しているところを見たことある?」
「いいえ、ありません。」彼氏との時も、編集長との時もセックス中で私の体内なのだから、どんな風に精子が出るのか知らなかった。
「そうか、後学のためにも見せてやるよ。そのままそこにいて。」編集長はそう言うと私の方を向いたまま一歩後ろに下がり、自分の右手で自分のチンポを握って、前後に激しく動かし始めた。私がその行為の意味が分からないまま編集長の行為に圧倒されていると
「男は皆こうやってオナニーしているんだぞ。」
「知りませんでした。…そんなに早く手を動かして痛くないんですか?」
「痛くないさ。カオルちゃんがフェラしてくれた唾液で滑るし。」編集長は右手が疲れたのか、左手に持ち換えてまた同じように手を動かしている。
「…そろそろだし、俺の隣に座って。」編集長は一旦手を止めてベッドの端に腰かけ、私もその左隣に腰かけて座った。編集長の左手が私の腰を抱き、右手は私の右手をチンポの方へ引っ張り「握れ」と命令された。チンポはテカり、先端からはまた透明の液がにじみ出ている。握った手の平からは竿の硬さと生暖かい体温を感じた。編集長は私が握った右手の上から自分の右手を重ね、上下に動かし始めた。二人でチンポをしごいている感じだ。見せてもらった時に思ったとおり、割と力強く握ったまま動かしている。クチョクチョと音がするのも構わず、唾独特の匂いがするのも構わず編集長は私の右手を使ってチンポをしごき続け、チンポがさらに少し硬くなりキュッと締まった感触がした瞬間、白い精液が飛び出した。私は反射的に「キャ」と右手を放そうとしたが、編集長の右手に上から握られたままで手を外すことが出来ず、それどころか発射しても上下に動かし続け、脈打ちながらさらに2回3回と射精するのを見るだけでなく、手でも感じた。やっと動かすのが止まってもまだチンポを握ったままで、竿を下に向けて亀頭の先端から精液の大きな雫が床に落ちるのを待った。
最初に飛び出た精液は10cmくらい飛んで床に落ち、その後に出たのも床に落ちたり右手に付いたりした。編集長の右手の束縛が外れて私もチンポから手を離すと、手の指や手首付近に付いた白と透明の精液がベットリ付いたままで流れ落ちない。男性の体内で作られた液体なのだから当然だろうが人肌に近い生温かさが有り、水溶き片栗粉のような“とろみ”というか粘り気がある液体だ。水っぽい匂いもする。
「どうだカオルちゃん、すごいだろう。くくく。」
「はい。ビックリしました。精液って勢いよく飛び出てくるんですね。」
「そうそう。最初に「射精」って名付けた人って天才だよね。これでも2回目だから控えめな方だぜ。1回目ならもっと飛ぶよ。」
「へ~、トクトク脈打つ感じが生々しくて、改めて体の一部なんだな~って思いました。」
「なー、勉強になっただろ。セックスを知らない童貞は自分の手の指で作った輪を女のアソコに見立てて、チンポを入れる疑似体験をしているんだ。それで腰を振る代わりに自分の手でしごいて気持ち良くなるんだよ。」編集長が親指と人差し指で輪を作りOKサインのような手をしながら説明してくれて、あの輪は女の穴であり、上下に手を動かしているのは腰のピストン運動の代わりだと言うのだから悲しい話だ。
「なんか可哀想ですね。虚しくならないのかな。」
「そりゃあ自慰行為なんだから虚しいさ。相手をしてくれる女がいるならそいつとヤった方が満足度も高いしな。」編集長は出し終わって萎えたチンポをティッシュで拭きながら声を出して笑っていた。
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