蝉の彩る夏
葉山道紀
少しずつ変わっていく
梅雨が明けて覗いた日の光が沈むと、殻を破く、泥だらけの怪獣
たぶん初夏、ニイニイゼミの高周波で高まる、青い暑い夏へ
クマゼミは特別な旅の効果音、当時は地元にいなかったから
盆過ぎのツクツクボウシの急かすような小刻みな喚きが焦燥を誘う
まだ抗う、まだ蝉が鳴く、まだ夏だ、気づけば肌寒い風が吹く
今年は梅雨に雨乞い、なぜかって、冬虫夏草を見つけたいから
もう暑い、暑くなってから響き出す、以前は初夏を告げた声
地元に帰ったらクマゼミが、細々と、激しい声で叫んでいた
高まりと焦りが一緒に聞こえてくるなんて、いったい何年ぶりだろう
遠くの方、鉄塊の走る揺れの音と、肌寒い風、寂しい日の入り
蝉の彩る夏 葉山道紀 @amishouzI
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