第19話 Cクラス

「それにしても、予想外な結果でしたね」


俺は、棒倒しの試合が終了したので、愛鈴たちとお昼を共に過ごしていた。


「ああ、まさかあそこからCクラスが勝つなんてな」


一種目目の、棒倒しは誰しもが予想していなかった結果に終わった。


各クラスが試合を行い、勝ち進んだBとCの決勝戦が行われた。


最初は、Bクラスが圧倒的な戦力でCクラスを追い詰めていて、誰しもがBクラスの勝利を確信した、その時だった。


たった一人の生徒が、Bクラスの棒を守っていた生徒を全てかわし、棒を倒した。それにより、結果はCクラスの勝利となった。


俺はこの試合を見てから、今回のCクラスは、本気で勝ちに来てると確信した


「本当にね、私も今回は、全種目で勝利をもぎ取りに来たんだけどな〜」


「仕方ないですよ、誰だってあそこから負けるとは、予想できませんから」


「そういえば、要くんの対戦相手はどうでしたか?」


「俺の対戦相手でヤバそうな奴は...... 特にいなかったぞ?」


俺は、神山のことを話そうか悩んだが、愛鈴にはカッコいいところを見せたかったので、そのことは伝えないことにした。


「そう言う愛鈴はどうだったんだ?夜空以外で苦戦しそうな奴は居たか?」


「そうですね...... あっ、苦戦するかどうかはわかりませんが、一人、随分とマイペースで、会場に遅れて来た子が居ましたね、確か名前は.....」


「Cクラスの、神道沙耶しんどうさやちゃんじゃなかったかな?」


「そう、その方です!」


俺はCクラスと言う言葉に、少し、引っかかった。


「水色の可愛らしい髪に随分と整った顔をしていて、背も高校生とは思えないくらい小さくて、お人形さんみたいに可愛かったんですよ?」


俺はその話を聞いて、神山が俺に聞いて来たことを思い出した。


「遅れて来たって言ってたけど、神道って一人で来たのか?もしかしてもう一人、眼鏡をかけた背の長い、高身長の男がいたんじゃないか?」


「...... !よくわかりましたね、確かにもう一人、高身長の男の人がいましたよ、確か...... 剣城さんと呼ばれていましたよ?」


俺の予想は的中した。神山が俺に尋ねて来た女の人はその女の子のことだった。


「大丈夫?、随分顔色悪いみたいだけど?」


「心配すんな、少し寝不足なだけだ、それよりも夜空も愛鈴も頑張れよ?この後試合だろ?」


この休憩時間が終わった後に行われる、次の種目は騎馬戦だった。


「ええ、もちろん勝たせてもらいますよ」


「愛鈴に勝って、デートしてもらうんだからね、約束破らないでよ?」


「ああ、勝ったらな?」


「では、行って来ます!」

「楽しみに待っててね!」


そう言うと二人は騎馬戦の準備をしに、出場する選手たちが集まってる場所へと向かって行った。


俺は、二人のことを応援すると同時に、一つ心配なことがあった。


Cクラスの存在だ、俺には今年のCクラスが棒倒しの結果以外で何も残さず終わるとは、到底思えなかった。





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