第9話 この思い出は永遠に...... ②

「要くんが向かってる場所ってあとどのくらいで着く、場所なんですか?」


「もう少しの場所だ。」


目的地に向かっていると、目の前には学生や子供達で賑わっているアミューズメントパークが見えて来た。


「着いたぞ。」


「ここが...... 」


「ああ。ここが今回の目的地、遊園地だ!。」


今回要が悩んだ末に決めたデートスポットは、遊園地だった。


「私、初めて遊園地に来ました。」


「愛鈴は遊園地友達とかと行ったことないのか?」


「ええ。こんなたくさんの人で賑わってるような場所に来ようと思ったことは、今までありませんでしたので...... 」


愛鈴はどうやら遊園地に来るのが初めてだったらしい。


「もしかして、こう言う場所嫌いだったか?だったらすぐにでも違う場所に...... 」


「いえ!。嫌いという訳ではありません。ただ...... こういった場所には慣れてなかったものですから、少し驚いてしまっただけです。」


「じゃあ、遊園地が嫌だ。って訳じゃ無いのか?」


「ええ。むしろ結構楽しみだったりします。こういった場所に来るのは新鮮ですので。」


「そうか。だったら、俺が今日は愛鈴のことエスカレートしてやるよ。」


初めてで慣れていないなら、自分が楽しませてやれば良い。今日は元々そう言うつもりで来てたんだ。


「良いんですか?そんなことお願いして...... 」


「良いも何も、初めてで慣れて無いんだろ?だったらお姫様が初めてでも楽しめるようにエスコートするのは、王子である俺の務めなんじゃ無いのか?」


「誰がお姫様ですか。ですがまぁ、言われていて悪い気はしませんね。では、今回はお言葉に甘えさせてもらうことにします。エスコート、よろしくお願いしますね?私の王子様。」


「ええ。喜んでお引き受けいたします。お姫様。」


要は愛鈴の手を繋いで、遊園地内を案内した。





「愛鈴はどう言うのに乗りたいとかあるのか?」


「そうですね...... ジェットコースターとか、お化け屋敷は以前テレビでやってたのを見て、行ってみたいとは思いました。」


「ジェットコースターなら、確か近くにあったな。じゃあ、まずはそれに乗ることにするか!」


まずは、愛鈴の行きたい場所の中で一番近くにあった。ジェットコースターに乗ることにした。


「これが...... ジェットコースターですか、初めて乗るので、とても楽しみです!」


「ジェットコースター。楽しめると良いな。」


愛鈴は、初めて見るジェットコースターに、とてもテンションが上がっているようだった。

こんなに無邪気に楽しんでる愛鈴を見るのは、初めてかもしれない。


「では、並びましょうか!」


「そうだな。...... 待ってる人は、思ってたよりも少ないみたいだな。」


ジェットコースターを待っている人の数は思っていたよりも少なく、今乗ってる人達が終われば、すぐにでも乗れそうだった。


「愛鈴は、高いところとか大丈夫なのか?言っておくが、ジェットコースターは、高い場所が駄目な人には結構厳しい乗り物だぞ。」


「こういったアトラクションに乗ったことは、まだ無いのであれですが、高い場所を怖いと思ったことは、今のところありませんよ?」


「まあ、何事も経験して見ないとわからないからな。」


「そう言う要くんはどうなんですか?」


「俺か。俺は...... まあ、普通くらいだ。別に得意でも無いが、苦手でも無いな。それよりも、次乗れるみたいだぞ?」


ジェットコースターが一周し終えて戻って来たので、二人は、要があらかじめ購入しておいたチケットをキャストさんに見せて、ジェットコースターの中で、座った。


「あの、要くん...... 」


「なんだ?」


「要くんって本当にジェットコースター平気なんですか?」


「平気だけど、それがどうかしたか?」


「いえ、さっきから震えてる足が、ずっと私に当たっているので......本当に大丈夫なのかと思いまして。」


どうやら、自分の足が愛鈴に当たってしまっていたらしい。


「それでは、これより、発車致します!それでは、カウント致します!。さん、に〜、いち、ぜろ〜。いってらっしゃいませ。」


キャストさんの合図が終わると同時にジェットコースターが動きだし、どんどん上へと上がって行った。


「愛鈴、みっともないお願いだんだが、聞いてくれるか?」


「別に構いませんよ。どうしたんですか?」


「終わるまで、俺と手を繋いでて、くれないか?」


「ふふっ、可愛らしいお願いですね。怖いなら最初から怖いと素直に言えばよろしいのに。ですがまあ良いです。手出して下さい。」


「ありがとう。愛鈴!」


そこから、終わるまでの二分間。要は愛鈴の手を強く握り続けて、ようやくジェットコースターが一周し終えた。


「死ぬかと思った...... 。愛鈴、ジェットコースターは楽しかったか?」


「とっても楽しかったですよ!特に、怯えた表情の要くんを観察するのが、とても面白かったです。」


「それ、絶対楽しみ方間違えてるだろ?。けどまぁ、愛鈴が楽しかったならそれでも良いか。」


後、十年はジェットコースターに乗りたくないが...... 。


「要くんって、なんだか子供っぽいところありますよね?」


「別に、そんなことないと思うけどな...... 」


「この前の中間テストの時も思ったんですけど、テストの順位が、思ってたよりも低くて、落ち込んだり、私の前だからって見栄張って苦手なの隠したり、要くんって以外と子供っぽいんですよ。私、要くんのそう言うところ、可愛くて結構好きですよ?」


愛鈴に可愛いといわれたが、素直に喜んで良いものなのかわからなくて、なんとも言えない気持ちになった。


「それって褒められてるのか?」


「ええ。褒めてるんです。」


「まあ、そう言うことにしておく。次は何したい?」


「では...... あれに乗ってみたいです!」


そこからは、愛鈴が気になったものを片っ端からやっていって、遊園地を満喫した。







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