第13章 虚無の王の策略



三つ目の封印を守り抜いた一行は、森を抜けて丘陵地帯へと進んでいた。

だが、虚無の王の影は、すでに森を抜けた彼らの動きを察知していた。


「……三つ目の封印を護ったか」

黒い渦の中、虚無の王の声が響く。

「ならば次は――“心の絆”を揺るがす試練を与えよう」


森を抜けた一行に突如として襲いかかったのは、封印の力を逆手に取る幻影の群れだった。

それは、デューンたちの最も深い恐怖や不安を具現化して襲いかかる存在だった。


「――くっ……!」

シリューが聖剣で幻影を斬るも、次々と新たな幻影が現れる。

「敵の力は……封印の力を利用している……」

アメリアが声を震わせる。


「だが、俺たちは仲間を信じている!」

デューンが前に出る。

「恐怖に屈するわけにはいかない!」


ラハムは杖を振り、水魔法の刃で幻影を切り裂きながら仲間たちに声をかける。

「諦めないで! 私たちがここにいる!」

エアも水の斬撃で幻影を打ち消す。


「……私の力も、ここで役立つ」

アポロンが渋々前に出て、黄金の光で周囲の幻影を蒸発させる。

「この程度のまやかしで私を倒せると思うな!」


幻影は消えたかに見えたが、虚無の王は声だけで攻撃を続けた。

「疑い、恐怖、怒り……そのすべてを仲間同士に向けさせよ」


その言葉通り、幻影は仲間たちを分断し、互いに裏切りそうに見せかけた。

「……デューン、信じて……!」

アメリアの声が仲間たちの耳に響く。


デューンは仲間たちを振り返り、力強く叫んだ。

「俺たちは仲間を信じる! 誰も見捨てない!」


ラハムとエアも同調し、幻影の攻撃を打ち破る。

エア:「僕たちの絆が、封印の力を護る!」


エア:「ミルフィー今だ!」


ミルフィー「!?ええ、ブリザガ!!!!」


ミルフィーの放った魔法の冷気が、最後の幻影を消し去った。


森は静けさを取り戻し、三つ目の封印は揺るがず光を放っていた。


アポロンは刀を収め、冷ややかに言った。

「……くだらん試練だった。だが、少しは面白かった」


デューンは仲間たちを見渡し、決意を新たにする。

「虚無の王は策略を巡らせてくる。だが、俺たちは負けない!」



戦いが終わった後ミルフィーはラハムとエアを呼び出した


ミルフィー:「ラハム、エア 話があるのだけど、ちょっといい?」


ラハム:「貴方から話だなんて珍しいわね 何かしら?」


ミルフィー:「デューン達には聞かれたくないから森の奥で話しましょう。」


エア:「森の奥で?まあいいけど?」


不思議がるエアを尻目にミルフィーは二人を連れて森の奥に入っていった


やがて森の奥まで辿り着いたミルフィーは確信に迫る。


ミルフィー:「あなた達一体何者なの?人間にしてはかなりの魔力だし、それにただの人間にしては身のこなしが人間離れしている」


ラハム「・・・」

エア「・・・」


ミルフィー「黙ってないで何とか言ったらどうなの?どうして水瓶のことを知っているの?水瓶はダームの町の住人しかしらないはずなのに、どうして?誰から水瓶のことを聞いたの?」


ラハム:「何を言っているの?私は人間だし、水瓶のことは敵から聞き出したのよ、それに何を根拠にそんなことを言っているの?」


エア:「誤解だよ、ミルフィー僕達は特別な修業を積んだから・・・」


「私もそれは気になっていた」

話を盗み聞きしていたアポロンが話に割って入ってきた


アポロン「お前達は人間ではないのではないか?その人間の言う通り、お前達二人には不審な点が多すぎる、それに戦いにおいて何故水の技だけ使うのだ?お前達は虚無の王の手先なのではないか?」


ラハム:「随分な言いがかりね、水の技や魔法を使うからという理由だけで、虚無の王の手先だということにはならないわ」


エア:「そうだよ!僕達はたまたま水の技を使っていただけだよ、誓ってもい僕達は君の味方だミルフィー信じてくれ!!」


ミルフィー:「じゃああなた達が虚無の王の手先でないなら水の技や魔法はどうやって授かったの?あなた達は水瓶から魔物と共に生み出されたんじゃないの?何故水の魔法や技しか使えないの?」


ラハム:「それは!」

 エア:「それは!」


シリュー「何を話しているの?ミルフィー?」


シリューが話を遮った


ミルフィー:「何でもない、話はここまでにしましょう」


意味ありげにミルフィーが去っていった


シリュー:「変なミルフィー」


アポロン:「お前達命拾いしたな」

そう言い放つとアポロンもその場を後にした

・・・


シリュー:「何なの?アイツ?2人ももう夜が遅いから戻りましょう」


ラハム「・・・(あの女なかなか感がいいわね、私達を人間じゃないと見抜くなんて、何とかしなければこの先のことに支障が出るかもしれない)」


エア「・・・(ミルフィーとアポロンに感ずかれたか、まずいこのままでは、正体がバレてしまう)」


その夜、森の奥で黒い渦が微かに揺れる。

虚無の王の影は、一行の絆と決意を見つめ、次の一手を静かに計っていた――。

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