第5章 蘇る秘宝と翼の炎光
南門での激闘の最中、突如として天が裂けた。
青白い光の柱が降り注ぎ、戦場に混乱が走る。
魔物たちは一瞬動きを止め、まるで何かに怯えるかのように後退した。
「な、なんだ……!?」
ポルナレフが杖を構えながら光を睨む。
アメリアの瞳が震えた。
「……まさか、姉上が……!」
光の中から、ゆっくりとひとりの男が姿を現した。
燃えるような黄金の髪。鋭く整った顔立ち。
そして、かつて未来を滅ぼそうとした存在――
「あれは、まさか村の伝承で聞いた伝説の神、太陽神アポロン……!」
デューンは思わず聖剣を握りしめる。
蘇った男は、周囲を見回し、そして冷笑を浮かべた。
「フン……またこの世界に縛られるとはな。忌々しいものだ」
その声には、かつての傲慢さと誇り高さが滲んでいた。
だが、彼の身体には黄金の紋様が浮かび上がり、その背後には女神の幻影が淡く佇んでいた。
「アポロン、あなたは私の姉である女神の命により甦ったのです」
アメリアが一歩進み出る。
「この世界に散らばる“秘宝”が、あなたの存在を形作っている。あなたは自由ではない」
アポロンの瞳が鋭く光る。
「……つまり、私は女神の傀儡だというのか」
「傀儡ではないわ。でも、女神はあなたに命じている――デューンたち時空の覇者達と共に歩め、と」
アメリアの声は揺るがなかった。
その場に緊張が走る。
デューンは聖剣を下ろさず、相手の動きを一瞬たりとも見逃さない。
「協力なんて、信じられるわけがないじゃない!」
シリューが吐き捨てるように言った。
「コイツは私たちの未来を焼き尽くそうとした男よ!」
だが、アポロンは鼻で笑った。
「安心しろ。私も君達と馴れ合う気はない。
だが――この世界を滅ぼそうとしている“力”は、私の望む未来をも消し去る。
それは私にとっても不愉快だ、私もこの世界が好きだからな」
デューンは短く息を吐き、剣を収める。
「なら……利害は一致するな。互いに背を向けない限り、共に戦うしかない」
アポロンはふっと笑みを浮かべ、太陽のごとき光をその手に宿し徐に刀を取り出した。
「勘違いするなよ、人間。私が従うのは女神の意志と秘宝の力。
君等の命令ではない、見るがいい、生まれ変わった真のマサムネの力を!!!!」
その直後、彼は手に持っていた刀を軽く振りその刀から放たれた黄金の光で魔物を一掃した。
炎のような光が闇を焼き払い、町の人々はその圧倒的な力に息を呑む。
デューンは心中で呟いた。
(……たとえ一時でも、この力は必要だ)
戦いが終わった後、アポロンは振り返らずに言い放つ。
「女神の命がある限り、私は君達に同行する。だが忘れるな――私はいつでも去る」
その背を見つめながら、仲間たちの胸には複雑な感情が渦巻いていた。
新たな仲間――いや、半ば強制された協力者。
その存在が、今後の旅にどのような影を落とすのか、まだ誰にも分からなかった。
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