読ませていただきました。
ポップなタイトルに対して、かなりのダークファンタジーです。
率直に感想を述べるなら、とても引き込まれる作品です。
まず冒頭の、古びたマンションの描写や松田の圧倒的な存在感が素晴らしく、読者を一気に「社会の底辺」の緊張感ある世界へ連れていきます。
今の時代問題になっている闇バイト、タイムリーです。
小林が追い込まれた境遇と、父親の遺した「幸せになれ」という言葉の対比が胸に刺さりました。
暗く救いのない現実が描かれつつも、ラーメンの匂いや父との思い出といった細やかな描写が、小林の人間らしさを浮き彫りにしているのも、うまいなって思います。純粋に。
そして、路地裏での怪物との遭遇から、一気に物語がホラー/ファンタジーへ転換する展開はお見事としか言えません。うまいなぁ。これも。本当に。
肉を抉られる痛みや吐き気の生々しい描写が、恐怖と緊張を増幅させています。そこに「おもちゃのステッキ」という意外性のあるアイテムが登場し、光を放って怪物を消し去る瞬間には鳥肌が立ちました。現実と非現実の境界が曖昧になる演出が巧みです。ここで魔法のステッキを出すって誰も思わないはず。
さらに、闇医者・北浦とのやり取りが物語を支えていて、小林の孤独と不器用な優しさが際立ちます。北浦の冷淡さと、どこか人情味を残した言葉も魅力的でした。私は思いっきり世代なのですが、不夜城とか新宿鮫とか、その辺の世界線も感じました。
総じて、社会の闇と人間の希望を融合させたハードボイルドかつダークファンタジーの雰囲気がとても力強く、そこに、魔法少女のステッキと言う物体が入ってくることで、映像的で迫力ある描写を、際立たせています。
うまいなぁ。上手すぎるよ。
高校生なんでしょう?
書き続けてくださいね。凄すぎる。