第三十二話 秋大会抽選会 ― 新たな戦いの始まり
抽選会場
九月初旬。県立体育館の一室に、各校の主将が集められていた。
蒼志館からは篠原キャプテンが出席。
緊張した空気の中、順にくじを引いていく。
(いよいよ秋大会か……夏で終わらなかった俺たちの挑戦が、ここから始まるんだ)
控室で俺は手を握りしめていた。
蒼志館の抽選
「蒼志館高校――」
呼ばれた篠原が壇上に上がり、箱の中に手を入れる。
静寂の中、番号札を引き抜いた。
「Dブロック三回戦からの登場!」
スクリーンに映し出された。
ベンチで待っていた俺たちがざわめく。
「三回戦スタートってことは、いきなり中堅以上と当たる可能性が高いな」
山根が小声で言った。
ブロックの顔ぶれ
スクリーンに並ぶ対戦表。
同じブロックには――
翠嶺学院(夏に勝利した因縁の相手)、
鳴神工業(準々決勝で敗れた強豪)、
そして王者 鳳凰学園 の名前。
「おい……これ、激戦区じゃねぇか!」
佐伯が思わず声を上げた。
篠原は冷静に言った。
「つまり、勝ち上がれば夏以上に価値があるってことだ」
他校の様子
鳳凰学園のキャプテンは堂々と壇上に立ち、くじを引いた。
彼の背筋は伸び、余裕の笑みを浮かべていた。
「今年も鳳凰が中心だな」
観客の間でざわめきが起きる。
一方、鳴神工業の鷺沼は壇上に上がることはなかったが、その姿は控室でも圧倒的な存在感を放っていた。
俺は思わず目を逸らした。
(あの一発……忘れていない。次こそは……!)
ネット掲示板の反応
【秋大会抽選スレ】
231 :名無しさん@野球好き
蒼志館また激戦ブロックwww
234 :名無しさん@観戦民
鳳凰・鳴神・翠嶺って地獄じゃん。ここ抜けたら本物。
240 :名無しさん@野球好き
如月vs鷺沼の再戦ワンチャンある? くっそ熱いな。
蒼志館ナインの決意
帰り道、篠原が全員を集めた。
「確かに厳しいブロックだ。でも俺たちは夏で“ただの中堅”じゃなくなった。胸を張って挑もう」
小坂が拳を握る。
「足でかき回してやる!」
佐伯も笑う。
「今度は勝負強さ見せてやる!」
山根はマスクを肩にかけ、静かに言った。
「配球で鳳凰を惑わせる」
俺は空を仰ぎ、深く息を吸い込んだ。
(球速も、制球も、まだ足りない。でも……勝ちたい。強豪を倒して、俺たちのチームが本物だと証明したい!)
現在の能力表(如月 隼人)
球速:141km/h
コントロール:B
スタミナ:B
変化球:スライダー6/シュート3
特殊能力:奪三振◎/対ピンチ○/低め○/キレ○/打たれ強さ○/逃げ球/クイック○/球持ち○
備考:秋大会Dブロックに決定/鳳凰・鳴神・翠嶺と同組の激戦区/チーム全体が決意を新たに
『転生サイドスロー ~左腕の魔球で全国制覇~』 kuroeru @kuroeruVT
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