No.2 第13話の感想
続きです。このお話が第一章の末尾となります。
>第13話 これは一体……なんですか?
誰の言葉でしょう?
> 路地裏に三人の男を誘い込んだアリソンが、短い道中に見つけた露店でささっと掠め取ったクッションをサイレンサー替わりにして三人の男を「相手にして」帰ってくる。
> 騒動が始まる前にさっさと逃げ込んだ店からのそりのそり、むすりとした顔で現れるシャオヘイ。
地味に窃盗アリソン(笑
連中の所持金で支払いくらいしてやってください。
>「もー、せっかくのデートなんだからさー」
>「あいつら、ボクに眼鏡を取れって言った」
>「そーだけどー」
>「だから遊んできた」
> あっけらかんとしたアリソンを見ると、シャオヘイもついつい「いつものことか」とも思ってしまうのだが、同時に男たちがせめて怨霊とかにならないようにと意味のないことを祈っていた。
シャオヘイ、男たちのために祈るなんて優しい。
デートが台無し……とまではいってないから、まだ許容できるのかも。
> それでも少し丸くなったのかなとも感じていた。以前のアリソンだったら「あのゴミ」とか言っていたに違いないし、良い変化もあったのかもしれないと気を取り直した。
> ハプニングはあったものの、スラム並みに狭い路地に見慣れぬ家屋が連なる様は、くさくさしたアリソンの心を解きほぐしていく。今日はデートなんだった、と改めて覚悟を決める。覚悟で良かったんだっけ?、との疑問をいまは封じることにした。
アリソンの心情が……(笑
ええ、なんでそんなにシャオヘイとのデートが嫌いなんですか。
> やがて二人の視界にでかでかと現れた紫とピンクのネオンサイン。
> SUSHI BAR KAWAGOE――それが店の名前だ。黒いサインボードの上のカラフルなネオンは、まるで娼館のようなケバケバしさを醸し出していた。
川越! 小江戸ですか。
あの蔵造の街並み、良いですよね。
この店の外観はお察しなネオンケバケバですが。
> アリソンは戸惑い、ではなく、心なしかビビッていた。こんな店がいったいまともな食事を提供していることなど、あるのだろうか、と。
> まして今日はシャオヘイコーディネートのへそ出しノースリーブのショート丈のタンクトップに、その気になれば非力な人間でも容易に引きずり下ろせるダボっとしたカーゴパンツ。最大に用心すべきだと、心が告げていた。
おや、アリソンが警戒してます。
というか物理的に非力なはずのシャオヘイはなんで平気なのでしょう?
>「ボク、本当に、ここに……入るの?」
>「そりゃそうでしょ。わたしだけ入ったらデートにならないじゃない。でしょ? ア、リ、スゥ~、ちゃん!」
> 渋るアリソンの背中を、ちゃん付けした猫撫で声のシャオヘイが「はいはい、入りましょ~♪」と押すようにして入店。
> 入るや否や二人の前に滑るようにして躍り込んできたのは、やたら丈の短いスカートの黄色いメイド服を来た女。見るからに怪しさしか感じないアリソンは、思わず隠し持った大口径ハンドガン=スノードロップに手を伸ばしそうになる。
ふと思ったのですが。
アリソンの常識判定はどのあたりにあるのでしょう?
このネオン街が不自然と感じるくらいの生活をしているわけですよね。
バラック街みたいな場所に住んでいましたが、生活感覚が育つ生活はしていたということです。
体を強化する前の過去が気になりました。
>「ご予約のお客様ですか?」
>「はい、二人です。
> 露出度がむやみに高い黄色いメイドは手際よく二人をカウンターに案内し、さっさと次の客を誘導すべく入口に戻っていった。
> 恰好こそあられもない姿のようにも見えた女は、相応に接客という仕事をプロとしてこなしているのだと、アリソンは関心し、シャオヘイは「やっぱり大丈夫だったじゃ~ん」と見栄を張った。
アリソンは安心し、シャオヘイも内心「良かった」と安心し。
そんななら、どうしてこの店をチョイスしたんですか、シャオヘイ!(笑
> そしてカウンターに座った二人の前に、次々と運ばれてくる料理。
> 米でくるりと包まれた小さな塊。その周りをさらに黒く薄い何かが巻き付けている。それぞれの塊の真ん中に、カラフルな具材が包まれていた。
>「なんですか、これ?」
> 思わず聞いてしまったアリソンに前に、奥からささっと黒装束の背の高い男が現れたかと思うと、次々と指さして説明を始めた。
寿司の上に置かれた具材を海苔で巻いている、と。
登場した黒装束は忍者スタイルで再生されました。
> アボガド、マンゴー、干し杏子、パパイヤ……、すべて果物。
> シャオヘイは出発前に言っていたのではなかったか? 寿司とは新鮮な魚を新鮮な米とともに味わうジャパンの郷土料理だ、と。
>「ねぇ、シャオヘイ。なんかずいぶん……ボクが聞いていたのと違う気がする……」
しっかり覚えていたアリソン。
こういう果物具材の寿司も世界にはあると聞いてますが、これがメインだとちょっと……。
> 顔をしかめるアリソンに見つめられ、気まずいやら気恥ずかしいやら、複雑な感情が入り乱れたシャオヘイは早口で「ここ、新鮮な魚、なかなか手に入らないから」とか「これだって十分“寿司”ってやつだと思うよ!」とかあれこれ釈明なのか弁明なのかわからない言葉を並べていく。
シャオヘイも想定外なんでしょうね。
ウキウキで選んだのにアレな店に来てしまった感。
エスコートした側が、初めての店で外れだったときに慌てるやつです(笑
>「シャオヘイがいいならボクはいいけどさ……」
> 真っ赤になって喋り続けるシャオヘイをいささか気の毒になったアリソンが、そう言いながら口に放り込んだ最初の一品は、マンゴーの巻き寿司。
アリソン、優しい!
そして何気なく食べたそれは……まずそう。
> ――不味い。強烈に不味い――
> アリソンもスラム育ち。決して美味しいものだけを食べてきたわけではない。ネズミやトカゲを丸焼きにして食べたことすらある。その時ですら、ここまで不味いと感じたことは無かった。それがたとえ空腹に耐えかねた最低の食事だったとしても。
いや、まずそうですが……酢飯に甘いもの。実は悪くないようにも思いますが……。
アリソンの舌には合わないんでしょう。
>「まっ……たまに……なら、ね」
> 辛うじて理性の内側に留まったアリソンは、できるだけ丁寧に、そして二度と来なくて済むように、シャオヘイの顔を見る。
アリソン優しすぎです(笑
気遣われたエスコート側が居た堪れない……。
> どうやら同じ感想を持ったらしいシャオヘイは、味に驚いたのか、はたまた予想との差に圧倒されたのか、目を丸くしてキョトンとしていた。
> こうしてシャオヘイが入念に練ったデートは、なんとも言えない微妙な空気に包まれながら、時間だけが過ぎていった。
ちょっと食べて出るという選択肢を取らないふたり。
予約してコースで出てくれば仕方ないか……。
> 不幸中の幸いなことに、バーと名乗っているだけに酒だけは豊富にあり、なんとか塊を一つずつ、酒で流しこむように残さずに食べつくした二人を見ていた黒装束も、顔の半分を隠した覆面越しになにやら満足そうだった。
この黒装束が作ったんですね。
寿司を冒涜するんじゃない!
>「またのご来店、お待ちしていまーす」といういやに明るいメイド服姿の店員の声を聞かなかったことにして退店した二人は、衝撃の味の連続にすっかり打ちのめされ、とても二軒目といった気分にはなれなかった。
メイドは悪くないです。たぶん。
げんなりするのは分かります。
次にチャレンジしたくなくなります。
> 二軒続けてこれだと無理だわーとさすがのシャオヘイも音を上げて、さっさと速足でSUVに戻る。
>「今日はちょっとごめんね。冒険しすぎたかも」
冒険。冒険なんですかこれ(笑
下調べの敗北っぽいですよ。
> 運転席でしおらしく凹んでいるシャオヘイの顔を見れば、アリソンもそれ以上文句も何も言う気にはなれなかった。彼女なりに気を遣ってくれたのだから、こういう失敗も許さないといけないとも感じていた。
そういえばアリソン、丸くなったように描写されてますよね。
以前はもっとキレて、こういう細事でも暴れてたんでしょうか。
そうだとすると、まるで癇癪玉だったのでしょう。
シャオヘイと出会って変わりつつある、というところかも。
> 元を質せば、デートをすること自体は一方的に約束させられたとはいえ、鬱々として膝を抱えていたアリソンを精一杯気分転換させようとした結果なのだから。
アリソンはそこもしっかり理解している!
優しいですね、シャオヘイへの優しさがフィーバーしてます。
> 車中でそのまましばらく無言となっていた二人を目ざとく見つけた人影が近寄ってくるのを確認したシャオヘイは、SUVを急発進させて荒いハンドリングで突っ走り始めた。
>「おーい、そこのお嬢さ……」という男の声を置き去りにして。
お嬢さん(定期)
これだけ声をかけられるのも、それだけ魅力的なのでしょう。
> 眼鏡の話題だけはなんとしても避けなければという使命感によって、シャオヘイの用意した全力デートプランは終わりを告げた。
> 幸いなことに、懸念したカブキ・ヤクザには出会わずに済んだのはおそらく良かったということなのだろうと思いながら、ガタガタ揺れる車中で、アリソンはいつしか眠りに落ちていった。
散々なデートでしたね……。
ふたりとも可哀そう。
何とも言えない終わり方でした。
以上が第13話でした。
よくよく考えたら、やっぱりシャオヘイがギルティですね。
もっと下調べしなきゃダメです、エスコートするんだから。
情報通のはずなのにどこか抜けているのが素敵ですけれど(笑
そして、ここまでが第一章でした。
総評に移りたいと思います、このままお進みください ↓
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