No.1 第2話の感想
続きです。
>第2話 ノブロウ
ノブロウ。人の名前でしょうか。
話のタイトルにするくらいなので重要な人? なのでしょう。
>死んだらどうなるのだろうと考えたことはあったものの僕は自分が幽霊になるとは思っていなかったのに、なぜか今現在の状況に僕は驚いていなかった。
ここで驚いていない自分を自覚していますね。
前のお話の終わりに「幽霊になったようだった」とあり、驚きがなかったのですが、この状態のせいだったのでしょう。
>「僕、死んだんだ」としゃべってみたけど、多分これも誰にも聞こえていないと思えた。
>現実感がない分、驚きようも悲しみようもないのだろうか。
発声は思考実験じゃ解決しませんからね。
でも幽霊は音を出せない? でしょうから、言っても聞こえて無さそう、という意味っぽい。
よく、人が亡くなった時に涙が出てこないで数日後に実感して泣く、という話があります。
おそらく主人公も実感が得られない状況なんでしょうね。
>「そう、兄ちゃんは死んだんだ。いつ死ぬかと思ってずっと見てたけど、最後は思い切って死んだな」
>今の僕と同じように、ほぼ透き通ってみえるような男の人がそこに立っていた。
背後からの急襲。
幽霊になったことへも驚かない主人公ですが、この背後からの声にも驚かないんですね。
けっこう図太い? 実感がないだけ?
>「俺はこの辺をうろついている幽霊で、ノブロウって言うんだ。よろしくな兄ちゃん」
>ノブロウと名乗る男は、感情の込められていない声で答えた。
タイトル回収です。以降、この人との会話が中心です。
「感情の込められていない声」とありますね。
死んだら感情が薄くなる、なんて話をどこかで読んだような気がします。
主人公が驚かないのもそういうことなんですかね。
>なんとも釈然としない答えだったけど、確かにそれしか説明のしようがないように思えた。
幽霊かとノブロウに聞いて、わからないという答えに対する心象。
幽霊だけあって心も実体が無いのかな。
なったことがないからよくわかりません。
でも地縛霊的なやつは強い怨念があったりするイメージですよね。
>ノブロウの声はやはり感情がない。
今更ですが、こう感じてるのは主人公視点なんですよね。
ノブロウは飄々としてますが、彼の感情は主人公より強いのかもしれません。
>…… 僕はもうひとつ気になったことを質問することにした。
>「あの、ノブロウさんは、どうして僕が死ぬことがわかったんですか?」
え、重要なのはそこ?
さっき「いつ死ぬかと思ってずっと見てた」って言われましたよね。
私だったらこいつに引きずり込まれて死んだのかって発想になります。
不幸を周囲に起こしやがって、と。
守護霊が見てくれてるならともかく……。
>でも、見ず知らずの僕が死のうとしていることを知っていることが不思議だった。
悪意を疑わない主人公の善良さが伝わります。(作者は意図してないと思いますが)
>「虫の報せって言葉知ってるよな?人間ってのは、死のうと思っていると、わかる奴にはわかる何かを発するんだよ。俺はそれを感じ取る力が鋭いんでな」
>「他人がどう感じるか知らんけど、俺は生きてる時から感じてたな。いわゆる霊感ってやつかな?姿かたちは見えなかったが、いるのは生きてた時から感じたな」
霊能力者ノブロウのひとり語り。
主人公は信憑性を得られずに話半分で質問の回答を聞いていました。
というか、そこは疑うんですね。
>僕には霊感とか幽霊とか、到底信じられないものなだけに、ノブロウの話がどんどん胡散臭く聞こえてきた。
いや、さすがに自分の死体を見てるんだから幽霊は信じましょうよ。
もしかして未だに「と、いう夢を見た」的な感覚なのでしょうか。
>「実は、俺も自殺した身でな。とある事情で借金をしこたま抱えちまってな。自己破産なりすれば死ぬ必要なかったんだろうが、それができなくてな」
ちょっと前後しますがノブロウの出自。
自殺すると幽霊になるわけではない、との語りもあり。
主人公がずっと懐疑的でノブロウもはっきりしないので、全体的にふわふわした感覚です。
>今までの人類史の長さを考えたら、幽霊が存在すていればそこかしこに幽霊が溢れかえってしまうではないか。
これ、私も昔、考えたことがあります。
そうでない=輪廻転生(りんねてんしょう)、なんですよね。現世は魂の修行場。
ダライラマです。中央政府の許可が必要です(何
>それに、幽霊は死んだ瞬間の姿で存在するとすれば、老人は老人の幽霊のままになっちゃうわけで、死んでも老いてることになる。
>それじゃ悲しくないだろうか?
>もし、若返って幽霊になるなら、なんだか今までの人生を否定するように感じる。
>僕は、そんな幽霊の存在にどうしても矛盾を感じてしまうのだ。
えっと。
ずっと幽霊について懐疑的でしたが、さらに否定する材料の提示です。
死んだそのままの姿は悲しい。
若返ったりすると人生を否定。
だから幽霊の存在は矛盾?するんだ、と。
じゃあどうすりゃ納得できるんですか(笑
細かいことを言うなら、自分やノブロウはどういう姿をしているんでしょう?
自殺をしたなら、自殺して体を害した跡があると思うんです。
それは無かったことになっている?
そこについては言及されてませんね。
>とはいえ、今は僕自身が幽霊のような存在になってしまっているので、なんとも複雑な気分だった。
ようやく認めた?ようです。
>僕は何故、幽霊になったんだろう?
>そんな僕の疑問が顔に出ていたようで、ノブロウが僕にこう言った。
>「まぁ、兄ちゃんはまだ死んだばかりだから、これから色々見ていけばいいさ」
>確かにそうだ。
諭されて納得。
まぁ、死んで意識があったときに、冷静になれというほうが難しいと思うのです。
トラック転生をするラノベの主人公が、すぐに受け入れるのがおかしいと思います。
このくらいは葛藤してほしい。
>そう思った時、玄関の方から悲鳴が上がった。
>玄関に立っていたのは、僕の母だった。
おっと、無関心な母親の悲鳴。
……という引きを残して終了です。
以上、第2話でした。
ええと……全体を通した率直な感想を言うと「はっきりしろ!」でした(苦笑)。
ふわふわしたままで、誰かの寝言を聞いている気分です。
主人公が幽霊になって信じられない、受け入れられないのはわかります。
ノブロウと話しても信憑性がなく信じられないのもわかります。
なら、もう少し知ろうとするアクションをしても良いんじゃないかと。
壁をすり抜けてみるとか、ノブロウに掴みかかってみるとか、幽霊っぽい何かはできそうです。
ノブロウはもともとそういう性格なんでしょうけれど……。
ずっと、信じられない、信憑性がない、と続くと「じゃあどうしたいんだ」という思いが募りました。
成仏したいのか、死んだ後の世の中を見たいのか。
不可抗力とはいえ、流されるまますぎて、読者的にはちょっとなぁ、という第2話でした。
もう少し感情が動いてくれれば良かったんですけどね。
ノブロウ共々、無味乾燥気味でしたから。
ごめんなさい、もしかしたらこのあたりも幽霊的な伏線なのかもしれません。
概要に「感情が希薄になっていく」とありましたから、既に始まっているのかも?
現時点ではこのような印象です。
主人公のふわふわ感を念頭に入れて、続きを読んでいきたいと思います。
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