ちびっこたんけんたい

霜月あかり

第1話「ちびっこ島のふしぎな旗」

ちびっこ島には、三人と二匹の、ちょっとかわった仲間たちがすんでいます。


しっかり者の男の子の リク。

元気いっぱいで、おっちょこちょいな女の子の ミミ。

発明が大好きで、めがねがトレードマークの男の子の カイ。


空を飛びまわるおしゃべり小鳥の ポコと、

穴ほりが得意で、ちょっとドジなモグラの ググ。


三人と二匹、あわせて「ちびっこたんけんたい」!


* * *


ある夏の日のこと。


「みんな、たいへんだ!」

ポコが空から飛んできました。


「海の向こうの丘に、見たことない旗がたってたよ!」


「えっ、旗?」リクが目をまるくします。

「だれかが島にやってきたのかな?」ミミはワクワク。

「ちょっと待って。危険かもしれないぞ」カイは考えこみます。


「でも、調べてみたい!」

ググが力いっぱい手をあげました。


こうして、ちびっこたんけんたいの出動です。


* * *


丘にのぼると、たしかにカラフルな旗がゆれていました。

でも、その下にはだれもいません。


「へんだなぁ……」ミミが首をかしげたとき――

ググが足をとられて、どてん!と転びました。


すると、地面にかくれていたふしぎな仕かけがカチッ!

パカッと穴がひらいて、中からキラキラの貝がらが飛びだしてきました。


「わあっ、きれい!」


リクが手にとると、貝がらには小さな字が書かれています。


《ちびっこ島へようこそ! これを見つけたきみたちは たんけんたいにぴったり》


「だれかが、ぼくたちのことを知ってるのかな?」リクはびっくり。


カイはメモを読みながらにっこり。

「これは島からの“しれん”だよ。ぼくたちが冒険できるか、ためされたんだ」


「じゃあ、合格ってことね!」ミミがぴょんと飛び上がりました。


ポコはくるりと空を回って、

「これからも島じゅうに、まだまだふしぎがあるにちがいないよ!」とさけびました。


「よーし! ちびっこたんけんたい、出発だ!」


三人と二匹の声が、夏の青空にひびきました。


けれど――。

旗を立てた“だれか”の正体も、島にひそむさらなる秘密も、まだ明らかではありません。


それを知る手がかりを、このあとすぐに見つけることになるのです。

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