日々は記憶を連れ歩いてる。

ブリードくま

カレーの記憶、天満の午後に。

天満を数年ぶりに訪れたとき、まるでカレーの香りが漂ってくるかのような錯覚に襲われた。天神橋筋商店街を歩いていると、あの懐かしいカレー屋のことが頭をよぎる。


学生時代、友人たちと一緒にあの店に入り浸っていた頃を思い出す。いや、入り浸っていたなんてもんじゃない。まるでカレーの中に浸かっていたかのようだった。


僕は断然、カツカレー派。揚げたてのカツがたっぷり乗ったカレーを前にして、「これ以上の幸福はないやろ?」といつも思っていた。ルーはもちろん多めだ。

そして時には、イカフライやエビフライ、メンチカツなども追加。トッピングをどれだけ重ねても、僕は満足しなかった。


友人たちは、「またそんなに頼むん?」と半ば呆れながら、僕を見ていたけど、それでもカレーの誘惑には勝てなかった。


結婚して引っ越した後、偶然にも新しい街のショッピングモールで通い詰めたカレー屋を発見したとき、衝撃が走った。


「え?チェーン店やったん!?」


ずっと個人店だと思い込んでいた僕は、一瞬その現実を受け入れられなかったけれど、まあ、それでもまたあのカレーが食べられるならいいか、と開き直った。

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