第6話 僕に拒否権はないようです(2)
「えぇえええっ! うそ~~~? 藍華姉ちゃん冗談でしょう~?」
僕は愛華姉ちゃんの妖艶な薄ら笑い。この世界から帰れるものならば帰ってみろとでも言いたい、怖い薄ら笑いを見ながら絶叫、尋ね。
「──何で藍華姉ちゃんのおじさんが僕の家へと挨拶へと窺う訳なの? 僕、おじさんが家の両親に挨拶をするようなことを何かしらしたかな?」と。
僕は愛華姉ちゃんと大人の深い恋愛関係を終えた後でも平然顔をしている癖に、しらっと他人事のように尋ねるから。
「健太、~。わらわに以前から何をしてきたのか、わっていて言っているわけ?」と。
藍華姉ちゃんは僕の他人事のような台詞……。
そう、この緑の肌色した麗しい女神さまは、もう何年も前から僕の彼女の彩の目を盗んでは親密な関係を繰り返していた。僕の事実上の彼女や嫁と言っても過言ではない存在だから。
僕の藍華姉ちゃんへの他人行儀な台詞は、流石に彼女の優艶な緑色の肌を真っ赤にさせ……。眉、目尻、口の端が吊り上がるほど憤慨させる言葉だから。
藍華姉ちゃんは僕へと唸るように尋ねると。
「ガブリ!」
僕の喉元を殺す気で噛みついてきた。
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