テーマ:「水路」
危ないと言われてもそこは自分達にとって道だった。田んぼの畦、工場の裏、家と家の間、道路の下。その全てが道であって、そこをどう通るかを考える事が楽しかった。大人も通れるのに通らない、子供ばかりのダンジョンだ。
水路そのものは存外として人が通れる様になっている。点検等の意図もあるだろうが、立ち入り禁止でないならばそこは一般に道としての役も果たす。けれど実際、大人がそうした場所に踏み込む様はあまり見ない。時折釣り糸を垂らす見かけない誰かは居るがその程度だ。
そうして大人達は口を揃えて「危ないから近寄るな。」と言う。しかして子供とは総じて天邪鬼だ。寄るなと言われれば寄りたくなって、出来上がるのは子供の中で口から口で伝わる迷宮めいた道の歩き方。どこがどこに繋がっていて、いつは行けて、いつは行けないのか。何があって、居ないのか。空想じみた空想じゃない地図を知っては、また一人、この街のもう一つの顔を知る。
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