第13話 鈴木八咫と七人岬

「えっ、八咫さんもついて行ってくれるんですか?」

「途中までだ、大津で別れる。寄る所があるんでな」

「途中まで…でも心強いですよ」

この大男は佐々木の同門らしい。

兄弟子のような振る舞いだ。


俺達は摩耶山から宝塚に降りそのまま高速に乗る。


しばらくしてバックミラーに怪異が写る。


「七人岬か?」

頭骸骨が炎に包まれた七人のゴーストライダーが追いすがってくる。


「やつら、ぬらりひょんの支配下でしょ、なんで?」

「見たという事は見られたという事さ、最初の現象と同じだ」

「傭兵みたいなもんね、このペネロープ号とも因縁あるし…」

「今度で三度目です。また脱出装置を作動させてください!」


「それには及ばない」

八咫はバックからショットガンを取り出し窓から狙い撃つ!

バン!

バン! バン! バン!

四発撃って弾切れらしく、こんどはマシンガンを取り出した。

バラパラパラ…

無茶苦茶だ…


「後はまかして」

朱美さんは「O」のボタンを押した。

オイルが路面に撒かれバイクはスピンする。

「ダメ押し!」

「F」のボタンを押す。

撒かれたオイルに炎が引火し大轟音が轟く。


炎の壁が後方にできた。

これで追ってはこれまい。


「一足早いが頃合いだ、退散する」

サンルーフが開き、八咫の席が中空に放たれる。

そのまま八咫は黒い翼を広げ大津市の方面に消えていく。


「なんなんだ…まるで漫画じゃないか…」

俺はこの展開についていけなかった。


「これが「心霊アルバイト」クオリテイ」

鶴屋先輩は笑った。

「ようこそ非日常へ」

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