第12話 タロットの暗示
トランプと思ったがタロットだったのか…
あまりわからないが無造作に1枚ひいた。
古めかしいトランプだな…
ああっそうか見せるのか
「キングオブソード」
いつのまにか婆さんは杖を持っている。
左手は包帯でグルグル巻きだ。怪我でもしたのか?
「ほほぅ小アルカナで最強のカードかい?
兄さん引きがいい、幸先がいいんじゃないかい…」
あのマスターがニッコリ笑っている。
虚仮にされているようでいい気がしない「怒り」が湧く。
「そう、お前さんの目に怒りが見える。怯えや怖れはない。
命名する
お前の定めは「レイジ(憤怒)」だ。
この旅にお前の魂を賭けて挑むかい?どうなんだい?」
俺は一瞬目をつぶった。
目を見開いて婆さんと外野で笑っている優男を睨む。
「魂だって、命だって賭けてやる!
あいつと産まれてくる子供が助かるなら、俺は死んだっていい!!」
「GooD!」
手の中のカードがフラッシュして燃えた!
塵一つなく消えた。
火傷は…していない。
「おもしろそう一枚引かせて」
朱美先輩は一枚、横から攫うようにひいた。
「おいおい遊びじゃないんだ。後悔するんじゃないよ」
「ああクイーンオブペンタクルか…鶴屋財閥のご令嬢らしいねあんた
またまだ富が欲しいとみえる。欲張りだねぇ…
「グリード(強欲)」とでも名付けようかね」
「なんかお金になるの?」
「手に触れた物が全て黄金になるマイダスタッチでないことを祈るよ」
「もうあんたは黙ってな」
「へいへい」
喫茶店のマスターは興味を失ったかのように厨房に行ってしまった。
「あんたもひくかい佐々木」
「成り行きでそうなるでしょ」
「ページオブワンド
好奇心の塊、愚か者のあんたらしい…でも「プライド」だけはあるね」
「最後に橘薫、あんたはひく必要もなく強いんだがどうするね」
「ひかせていただきます」
「そうかい、ハートオブエース
慈愛の象徴だね。もっとも価値のあるカードだ。三人をその盾で守ってやりな」
四人の運命のカードは決まった。出発だ。
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