N街ハザード

鷹山トシキ

第1話 正義の刃

 2025・7


 N街の静かな郊外に位置するN中学校。規律正しく、問題も少ないと評判の進学校であるこの中学校で、夏休み直前のある朝、生徒の一人――2年B組の男子生徒・三上直樹みかみなおき――が、校舎裏の資材倉庫で遺体となって発見された。直樹は腹を鋭利な刃物で切られていた。


 第一発見者は同じクラスの学級委員長・白石理沙しらいしりさ。彼女は、遺体のそばに落ちていた1枚の紙切れを見つける。それにはこう書かれていた:


> 「これは始まりにすぎない。真実を隠す者に、正義の刃を。」


 学校は事件の混乱を抑えるため、警察の捜査と並行して内部調査を開始するが、関係者には口止めがされ、表向きは「事故」として処理されようとしていた。


 だが、白石理沙は納得できなかった。


「直樹は……何かを知っていた。あの時、"言いたいことがある"って言ってたのに……」


 理沙は、直樹が死ぬ前に自分にだけ話そうとしていた“秘密”を手がかりに、事件の真相に迫ることを決意する。



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