SEKAI NO OWARIの世界に、転生した話。

nano

炎と森のカーニバル

 201×年 5月


 今日は、修学旅行だ。

 期待と共に乗り込んだバスの中で、『修学旅行のしおり』を開いた。

 後ろの方のページには、実行委員が厳選した曲の歌詞カードが載っている。

 そこで、一曲目にかかったのは。



  炎と森のカーニバル

  ミイラ男も踊ってる

  今宵、僕が招かれたカーニバル



 次の瞬間、私は異世界へ飛ばされた。

 ファンタジーだ!


 その頃の私は、音楽を聴くということを知らなかった。

 テレビも観ず、ただ本の世界で生きていた。

 だから、一瞬で転生した。

 音楽の世界に、一気に飛ばされたのだ。



  「私をパーティーへ連れ出して」

  君がそうやって言うからさ

  悪魔のDJを観に行こうか、

  月のカクテルを買ってくるよ



 最高すぎる。

 歌詞から溢れるファンタジーの世界が、もう最高だった。


 なんで、こんな世界が書けるんですか?

 なんで、この世界観を彩る音を添えられるんですか?

 もしかして、一度ファンタジーの世界へ行ったことがあるんですか!?


 小学六年生の初夏。

 私は、SEKAI NO OWARIの世界観へ転生した。






 201×年 9月


  YOKOHAMAにある遊園地の

  「コスモパニック」の非常口が

  このパーティーのエントランス



 セカオワを好きになってから、自分の行きたいところへ行けるようになったころ。

 現実の世界に戻って来て(異世界転移になると思う)、『「コスモパニック」の非常口』に行ってみた。

 ちゃんとあった。

 確かに存在してた。


 外から写真を撮った。

 それはもう、たくさん。

 隣で友人が笑い続けるくらい、非常口の写真を撮りまくった。


 友人にとっては、ただの非常口。

 でも、私にとっては異世界への入り口。


 緑色の扉が、私を幻想の奥深くまで誘ってくれるような気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る