第2話 フリフリがついている真っ白な布
「俺、やっぱここに住みます…」
先輩を見た瞬間、それまで自分が言った言葉の意味など考えず、口をついて出てしまった。
「ちょっと
「ち、ちがいますよ!よく考えたらここ以外に住む場所ないし、なんか楽しそうだなと思って!」
俺が苦しい言い訳をしている間に、先輩は自分の部屋へ向かって歩いて行ってしまった。
「
「うん」
返事をしたと同時に、先輩は少し
その姿に、
「じゃあ、私ご飯の
洋子さんの家はアパートのすぐ隣にある。
アパートの住人は、洋子さんの家に集まってご飯を食べるのが
「そういえば、先輩って
「あれ、
「いや、学校でたまたま見かけて…」
「そうなんだ、顔見知りなら話が早いね。彼女は
外見も綺麗で名前も綺麗とか完璧すぎる!
しかも同じアパートなんて奇跡だ…!
せめて声をかけて名前を覚えてもらお──
「ああ、
「えっ」
「二階に上がると、洋子さんに
たしかに、2階へ上がる階段から廊下にかけて、金属バットや
「ここは1階が男子の部屋で、2階が女子の部屋。
「洋子さんの家にはどんなタイミングで集まるんですか!?」
俺は、ついさっきまでここを出ていくと言っていた人間とは思えないような勢いで
「まあ、基本はご飯食べるときかな~。洋子さんはいつでも来ていいって言ってるから、
先輩の生活リズムがわからない今は、とりあえずご飯どきが会えるチャンスか…
「
「…え!?な、なんですかいきなり…」
「僕にとってはいきなりじゃないんだけどな~。恋愛に
他人に自分の好意を知られるのは恥ずかしかったが、このときはもう、それでも先輩と友達になりたいという想いのほうが強かった。
「年下の男の子が入ってくるの久しぶりだからな~。よし、ここは僕が一肌脱いであげよう!」
ヌギヌギヌギヌギ…
「何してるんですか。ってか、無駄に体鍛えてるのムカつきますね」
「へへ~、いいでしょ~触ってみる?ホレホレ」
「いいですよ!早く服着てください!」
「ちょっと!君たち
ヤバい!警察だ!
「…ってあれ、あっくんじゃない。また君か~。もう上半身
この人普段からどんなことしてるんだ…
「あ、そういえばあっくんさあ、今日スケボーにぐるぐる巻きにされて道路走ってた?」
「はい、改めて幸せを感じたくて。よかったらお
「うん、それね、普通に
「あ、ちょっと、これからご飯が…」
何やってんだこの大人は…
この瞬間から
さて、じゃあご飯の前に自分の部屋に行ってみるか。
俺の部屋は102号室。
部屋は6
家具はすでに設置されており、
お、ベランダもついてるのか。
今日はいろいろあったし、少し
そういえば、先輩は二階のどの部屋に住んでいるんだろう。
もし、真上に住んでいたら、ベランダ越しに会話できたりするのかな。
2人の秘密の空間って感じで、なんかいいな…
そんな希望を
先輩が手を伸ばした先には、フリフリがついている真っ白な布があった。
俺は先輩に会えたうれしさや、良からぬものを見てしまったのではないかという
あんなに大きくて綺麗な先輩の目が、このときは横長に切れるように
どうしてこうもうまくいかないんだ…
俺の
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