リヴァイヴ•ピストル

雨村

プロローグ

『あなたは人を殺せますか?』

 人類は、言葉を得て、文字を生み、文明を創り、産業を発展させ、進化を続けてきた。

人類はいつの時代も、不都合を克服してきたのだ。しかし、人類史から“殺人”の二文字が消えたことはない。その行為の残酷さと理不尽さに、きっと早くから気づいていたはずなのに、今日においてもその“怪物”は我々の中に存在する。

それに行動に移さずとも、その怪物が、脳裏によぎった経験は誰しもあるだろう。だが、ほとんどの場合、行動には移さない。

―――それはなぜだろう。

常識過ぎて、考える必要もないその問いの答えを探してみる。

 私の回答は「行為に対して、報酬が伴わないから」であると考える。殺人を犯せば牢屋に入れられ、自由を奪われる。場合によっては、命そのものを奪われることもある。報酬どころではなく、行いに対して与えられるのは罰である。

 仮に、殺人を犯し、時効まで逃げ切れたとする。それでも逃亡中の人生の時間には、ほとんど味がないだろう。

 そして何よりも、他人を殺めた自分自身に、深く失望するだろう。そんな葛藤を抱えて死んでいく人生を幸せとは呼ばない。

 以上から、殺人とは「他人の命と引き換えに、自らの人生を捧げる行為である」と考えた。罰が設けられている時点で、その行いは合理性に欠けている。

 さて、答えが出た上で、質問に少し付け足しをしてみたいと思う。なに、たった九文字と読点が一つだ。

その問いの答えを、一緒に考えてみてほしい。共に、この時代を生きていく人類として。

『愛する人のためなら、あなたは人を殺せますか?』

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