荒影市・廃都市にて

調査報告書・第14号

対象施設:荒影市 廃都市「旧市街地全域」

調査日:20XX年9月10日

調査班:荒影市文化観光課・廃墟調査班


1. 背景


対象の廃都市は、災害・人口流出・経済破綻により市街地全体が放棄され、廃墟化した。

廃都市では、住民がいないはずの通りや建物で、足音・人影・物の揺れ・低いうめき声などの異常が複数報告されている。


今回の調査は、旧市街地の住宅街・商店街・公共施設・地下街・工業区の現状確認、映像・音声資料の取得、異常現象のパターン解析を目的として実施した。


2. 調査結果

2-1. 施設状況


住宅街:家屋の屋根や窓ガラスは崩壊、家具や生活用品が散乱。


商店街:店舗は看板が落下、ガラス破損、商品や什器が散乱。


公共施設(市役所、病院、学校等):全体的に老朽化、廊下や階段は崩壊の危険あり。


地下街・工業区:湿気が多く、暗く狭い通路や機械が錆びている。


2-2. 異常現象


道路や住宅街で、誰もいないはずの場所から断続的に足音が聞こえる。


商店街の窓ガラスに、短時間人影が映る。過去の廃ホテルや廃図書館で確認した影と酷似。


公共施設内の机や椅子、什器が微かに揺れる現象を確認。


地下街や工業区で低いうめき声が録音され、水面や機械が勝手に動く映像も確認。


廃都市全体で、風のない場所で建物や物体が揺れる現象が複数報告され、局所現象ではないことを示唆。


2-3. 証言断片


元市職員E(男性・60代)

「廃墟になった旧市街地では、夜になると誰もいないはずの通りで足音や人影を見たことがある。過去に廃船や廃病院で見た光景と似ていた」


元住民F(女性・50代)

「通りを歩くと、窓の奥に誰か立っている気配を感じる。でも近づくと誰もいなかった」


3. 総合所見


調査期間中、住宅街・商店街・公共施設・地下街・工業区で断続的な異常を確認。

足音、人影、揺れる家具や什器、低いうめき声、動く物体など、調査班以外の存在を示す現象が記録された。

映像や音声資料は不完全であり、原因は不明。異常は未解決のまま公式記録として残す。


4. 備考


本資料は公式調査記録として保管され、無断での閲覧・複製は禁止。


映像・写真資料の一部は劣化または消失しており、全貌確認は不可能。


異常は現在進行中の可能性あり。


建物や通路の老朽化による崩落・転落の危険も高く、立入禁止区域の厳守を推奨。

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