影谷市郊外・廃トンネルにて
調査報告書・第13号
対象施設:影谷市郊外 廃トンネル「黒谷トンネル旧道」
調査日:20XX年8月15日
調査班:影谷市文化観光課・廃墟調査班
1. 背景
対象の廃トンネルは、新道建設に伴い旧道として閉鎖された。
閉鎖後、立ち入った者から「暗闇の中で人影を見た」「風もないのに音が響く」といった報告があり、都市型廃墟特有の心理的恐怖が発生している。
今回の調査は、トンネル内・坑口・休憩スペース・排水施設の現状確認、過去報告の再現性検証、映像・音声資料の取得を目的として実施した。
2. 調査結果
2-1. 施設状況
トンネル内:照明は撤去され、足元は水たまりと落石で不安定。
坑口:鉄柵やバリケードは一部破損。外部からの風が入り込むが、内部の音は反響して異常に増幅される。
排水施設・休憩スペース:湿気が充満し、金属やコンクリートの腐食が進行。
2-2. 異常現象
トンネル内で足音や低いうめき声が反響し、誰もいないはずの場所から方向感覚を狂わすように聞こえる。
映像には短時間、人影が壁に映るが、一瞬で消失。過去の廃校・廃ホテル・廃図書館で記録した影と類似。
休憩スペースに置かれた物体(椅子や小道具)が微かに揺れる現象を確認。
排水溝付近で、突然水面に波紋が発生し、何も触れていないのに動いている様子が映像に記録された。
2-3. 証言断片
元道路管理担当C(男性・50代)
「閉鎖後も、夜間に旧道を通ると、トンネルの奥から誰かが歩く音が聞こえた。過去に見た廃船や廃温泉旅館の音と似ていた」
近隣住民D(女性・40代)
「坑口付近で、薄暗い影がこちらを見ている気配を感じる。でも近づくと誰もいなかった」
3. 総合所見
調査中、トンネル内・休憩スペース・排水施設で断続的な異常を確認。
足音、人影、揺れる物体、低いうめき声、水面の波紋など、調査班以外の存在を示す現象が記録された。
映像や音声資料は不完全であり、原因は不明。異常は未解決のまま公式記録として残す。
4. 備考
本資料は公式調査記録として保管され、無断での閲覧・複製は禁止。
映像・写真資料の一部は劣化または消失しており、全貌確認は不可能。
異常は現在進行中の可能性あり。
老朽化や水たまりによる滑落の危険も高く、立入禁止区域の厳守を推奨。
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