第11話




ソエルの指示によりユートの家にエルフたちが集まっていた


現在こちらに残っていたエルフのほとんどはダンジョン管理局本部にいた

離れていた者も日本国内にいたのですぐに合流出来た


残留しているエルフはソエルとソフィアを除くと10人


その全員がユグドラシアにいた頃 王族の護衛隊長だったソエルの部下だ

門が繋がった際、大使としてソエルが選ばれた為そのままソエルの隊が大使一団として行動していた




エルフたちの住居だが、ダンジョン管理局の支部が残っているので少し手を入れて住めるようにした


ソフィアだけはそのままユートの家に残ることになっていた


荷物の移動が面倒とか自由に過ごせる今の環境から離れるのが嫌だいう理由だったが、誰も反対しなかったので特に問題はなかった



それから地上の自治区予定地の整備も始まった

元々ダンジョン跡地だったので人払いは済んでおり、周囲も民家がポツリといくつか建っている程度


土地の境界は林で周囲を囲われていて、ユートの家近くには荒れた畑がいくつか残っていた


ちょっとした田舎といったこの場所だがエルフにとっては最高の環境だった



林には至るところにエルフ謹製のトラップが仕掛けられていた


モンスターを撃退するためのものが使われているので正規のルート以外は通れない程危険な地帯になっていた


ユートはトラップのまだ知識がないので立ち入り禁止になっていた


ユグドラシアでは全エルフにトラップの知識や技術が義務付けられているが

ユートはこちら側の生まれのハーフエルフの為、今後各エルフ持ち回りで教わることになっている



防衛戦など行う時、森を利用すればほぼ負けることはなかった

トラップだけでなく森を利用した戦闘にエルフは長けていた


ファンタジー小説のイメージ通り、エルフは森を利用した戦いでは右に出るものはいないのだ




畑跡地は再利用して地上の作物を育てることになった

食事はダンジョン産のものだけでも充分だが、こちらに来て地上の食べ物の美味しさを知った今、せっかく耕せる土地があるなら自分たちで栽培しようということに決まった


主に野菜や麦を中心に畑を作る

管理局から離れていたエルフが農家を回り勉強していたのでその者を中心に進められた



「米は作らないのかしら?」


最近ゲームで米作りをしたソフィアが提案したが環境的に難しいということで却下された





こうして順調にエルフ自治区の準備は進んでいった





そしてついにダンジョン管理局本部からエルフ自治区の発足が発表された





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