第5話
ソフィアがきた翌日
朝からダンジョンに来ていた
「種ってどんなの持ってきた?」
「一応ダンジョンで育つものでユートが使いそうな品種を持ってきたわ」
「それは助かる」
ダンジョン内で育つ植物は大まかに
・ポーション等の薬の元となる薬草類
・身体能力を一時的に向上させる木の実
・こちらの世界にはない食用の果実
等々…
これら全てダンジョン由来のものであり
ダンジョン外では育たないことがわかっている
逆にダンジョン外にある一般的な植物はダンジョン内ではほとんど育つことはない
極まれに育つケースがあるが
通常より劣化した状態となるので今では研究以外で育てられることはなかった
ダンジョンの入口から少し離れたスペースを区分けして作業をはじめる
ソフィアは種の準備 ユートは畑の方を耕しはじめた
「それじゃあ種まきしましょうか」
「了解」
品種毎に決められた場所に種をまきはじめる
「そういえばユートってセーラさんにこうゆうの教わらなかったの?」
「全く習ってない。昔から親父に稽古ばっかさせられてたし。お袋には簡単な魔力の使い方しか教えてもらってないな」
「近接戦しか出来ないエルフなんて聞いたことないってお母さんたち驚いてたわ」
「知らん。文句は親父たちに言ってくれ」
ユートは母親はエルフ 父親が人間のハーフエルフである
父親が探索者だった為、幼少の頃から探索者の技術を叩き込まれていた
その代わり魔法を始めとするエルフの技術はからっきしだった
ちなみに
彼の外見は金髪ではあるがエルフの特徴的な耳ではなく普通だった
その為一部の関係者を除いて
世間では外国人ハーフとして過ごしていた
これは現在存在するハーフエルフはユートだけである為
そのトラブルを避けるための措置であった
「セーラさんたち元気にしてるかしら」
「放っといても死なないだろあの二人は」
「そうね タケトさんは特級探索者だし、セーラさんは私たちエルフの中で一番強いし。何よりエルフの国にいるなら安全ですものね」
ユートの両親は10年前の事故当時
エルフの国に滞在していた為向こうに残されたままだった
「今頃二人でイチャイチャしてるんじゃないか?俺いないし」
「あの二人ならあり得るわね。もしかするとユート忘れられてるんじゃないの?」
「一人でのびのびやれるのはいいけどそれはそれで釈然としないなぁ」
種まき作業が一通り終わる
「終わったわね。このダンジョンの環境ならあとは一日一度水やりすれば充分だと思うわ」
「それなら朝一でやれば問題なさそうだな。楽でいいな」
「芽が出て育つまでしばらくかかるから水やり忘れないようにね。芽が出たら教えて」
「了解。んでソフィアはこのあと何するんだ?」
「この後お母さんに報告いれるだけよ。明日からしばらくは芽が出るまでの間は一日一回の報告するだけ。後は自由時間。つまり遊び放題! もう最高! ここは楽園かしら」
「まぁ最低限の仕事さえすれば文句はいわないがあまり羽目外し過ぎるなよ」
「わかってるわ。それよりそろそろお昼の時間よ。出前頼むの?」
「ここ一応立ち入り禁止区域だから出前どころか郵便も来ないぞ」
「それじゃあご飯どうするのよ。私料理できないわよ。それに通販来ないと生きていけないんだけど」
「飯は俺が作るよ。通販は近くの町で受け取れるから心配するな」
「そう、それならよかったわ」
「てか料理できないってソエルさんに習わなかったのかよ」
「だって管理局の寮で暮らしてたから必要なかったし。お母さんも無理にやらなくていいっていってたから」
「まぁ作れるようになれとはいわないが手伝うくらいはしろよ」
「それくらいならやれそうね。任せて」
ダンジョンから戻り 二人で昼食の準備をはじめるのだった
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