第20話 乙女の堕落・前編 (18禁)
千代子は、落ち着いた、優雅な動きで会計を済ませた。彼女は俺を、静かな通りを抜けて、質素で清潔なアパートへと案内した。彼女の家は、まさに俺が想像していた通りだった。きちんと整頓され、静かな孤独に満ちていた。
写真も、個人的な雑多な物もなく、ただ他人のために生きる人生の、最低限の必需品だけがあった。
彼女は俺たちの後ろでドアを閉め、錠の静かなカチリという音が、静寂なアパートに響いた。俺が何かを言うのを待つこともなく、彼女はただ俺の方を向き直り、ドアに背を預けると、手を上げた。
ゆっくりと、意図的に、彼女は髪からピンを抜いた。長く、柔らかい茶色の髪が、彼女の肩にこぼれ落ちる。そして、彼女の指はカーディガンのボタンへと移った。彼女にとって、これは儀式なのだ。失われた青春を取り戻すための。
「準備は、できています」彼女は、静かだが、固い声で言った。
俺は服を脱ぎ、彼女を腕に抱き上げると、ベッドへと運んだ。「信じてくれて、ありがとう、千代子」俺は、彼女を横たえながら、優しく言った。「あんたが、ずっとあんなに悲しいままでいるのを見るのは、嫌だったからな」
俺の手は、彼女の身体を探り始め、その豊かな胸を、優しい手つきで揉みしだいた。「それに、これを隠しておくなんて、罪だよ」
「そんな風に、自分のことを考えたことはありませんでしたわ」彼女は囁き、頬を微かに赤らめながら、軽く喘いだ。「ただ、私の身体の一部だと…」
俺の手は彼女の服へと移り、その質素なドレスと実用的な下着を剥ぎ取っていった。それらが滑り落ち、美しく、成熟した女性の身体が現れた。豊かで重い胸、柔らかく広い腰。母性のために作られた身体、恋人の愛撫を知ることは決してないだろうと、彼女が思っていた身体。
「助平な千代子さん」俺は、身をかがめながらからかった。彼女の胸の間に顔を埋め、その香りを吸い込んでから、乳首を口に含んだ。同時に、俺の手は彼女の腹を滑り降り、太ももの間に差し込まれた。
驚いたような、息を呑む笑いが、彼女から漏れた。「す、助平…? わ、私は…助平になる方法なんて、わかりません…」
俺の口が吸い付き、舌がその頂点をなぞると、彼女の言葉は鋭い喘ぎ声に変わった。彼女の全身が、息の詰まるような叫びと共に、ベッドから反り返った。
「あんたは知らないかもしれないが」俺は、彼女の濡れた肌に囁いた。「あんたの身体は、知ってるぜ、千代子」
十年分の、抑圧された感情が、一気に表面に噴出した。俺の指は、彼女の湿り始めた股間を見つけた。すでに、ぬるりと濡れて、待っていた。
「あっ! 博人さん! な、何を…!?」彼女は喘いだ。「それ…すごく、気持ちいい…」彼女は、完全に我を忘れていた。彼女の心には、この種の純粋で、利己的な快楽のための地図などなかったのだ。
俺はさらに強く吸い、もう片方の乳首を指でつまみながら、親指で彼女の襞の中に隠れた、小さく硬いクリトリスを見つけ出し、その周りをなぞり始めた。
その組み合わせが、彼女を壊した。「い、いや、やめて…」彼女は、声が裏返りながら、叫んだ。「できません…もう、無理です!!」彼女の腰が、自分では制御できない、狂乱的で、突き上げるようなリズムで、勝手に動き始めた。
彼女の絶頂は、恐ろしく、止められない速さで高まっていく。「だめ! イっちゃう…あああああ!」この十年間で初めてのオーガズムが、彼女を貫いた。彼女の全身が、硬直する。彼女は絶叫した。純粋で、抑えきれない快楽の音が、孤独なアパートを満たした。
「どうだった?」俺は、彼女に一息つかせながら、尋ねた。俺は彼女の背中をさすり、余韻を和らげようとした。「まだ、本格的には始まってもいないぜ、助平な千代子さん」
彼女は、骨が抜かれたようにベッドに横たわり、喘ぎながら、その身体を震わせていた。「空を、飛んでいるようでした」彼女は、驚きに満ちた声で囁いた。「そして、落ちていくようでした。そして…消えていくようでした。あんな感覚が、存在するなんて、知りませんでした」
彼女は俺を見た。その瞳に、新しく、貪欲な好奇心が芽生え始めていた。「まだ、始まってもいない?」ゆっくりと、震えながら、彼女は身を起こした。
「では…お願いします、博人さん。もう、待たせないでください。残りを、見せてください」
「俺の、竿を…」俺は、それを手に取り、その太い先端を、彼女のぬるぬると濡れた、敏感な秘裂にこすりつけながら言った。「…あんたの中に入れる。俺の種が、あんたの契約を、完全に破る。そして、もしかしたら…」俺は、ほんの少しだけ押し込みながら、からかった。「文字通り、新しい命を、あんたの中に宿すこともな」
彼女は、息を呑んだ。内なる新しい命という、俺の最後の言葉が、彼女に衝撃波となって走った。
彼女が葬り去った夢、彼女が犠牲にした家族、彼女が渇望した子供たち…その全てが、今、ここに、闇の、具体的な約束として、存在していた。
彼女の古い自己の、最後の断片が、燃え尽きて無になった。彼女の欲望が、生の、圧倒的な力となって、彼女を飲み込んだ。
「お願い…」彼女は、かすれた、必死の声で懇願した。彼女は俺の腰を掴んだ。その手つきはもはやためらいがちではなく、固く、要求するものだった。「じらさないで! 今すぐ、ください! 全てを、ください。お願いします!」
聖女であった千代子が、自分自身のために、これほど利己的な何かを要求したのは、これが初めてだった。
一度の、滑らかな動きで、俺は前進し、その太い竿を、彼女の処女膜を貫き、奥深くまで滑り込ませた。俺たちが、押しつぶすようなキスで唇を重ねると、俺はゆっくりと、意図的なリズムで動き始めた。
すでに彼女の絶頂で開かれ、濡れていたその身体は、濡れた、歓迎するような熱で、俺を受け入れた。彼女は俺の口の中に喘ぎ、その身体は、あらゆる寸分を受け入れようと、反り返った。
一つ一つの突き上げが、千代子にとって、圧倒的な快楽の波となる。彼女は俺の口の中に、純粋な恍惚の、途切れることのない、振動するような声を漏らし続ける。彼女の脚は貪欲に俺の腰に絡みつき、その手は俺の背中を掴み、引き寄せ、俺たちの間のあらゆる隙間を消し去ろうとする。
俺が動くにつれて、嵐の黄昏のような色の、微かな、闇のオーラが彼女から放たれ始めた。それは憎しみから生まれた闇ではなく、深く、利己的な愛と、生命への絶望的な渇望から生まれた闇だった。
「イきそうになったら、教えろよ、千代子」俺は、彼女の腰を掴み、ペースを上げながら囁いた。その動きに合わせて、彼女の豊かな胸が揺れるのを、楽しんだ。「一緒に、イこうぜ」
千代子は、突き上げるたびに喘ぎ、その頭は後ろに反り、長い茶色の髪が枕の上に広がっている。彼女の豊かで重い胸は、催眠術のようなリズムで揺れ、薄い汗の膜で、ぬらぬらと光っている。
「博人さん!」彼女は、かすれた、喘ぐような声で叫んだ。「わ…私、もうすぐ! また、来ます! すごく、速い! お願い…今! 私と、一緒にイって!」
それが、合図だった。俺は完全に理性を手放し、最後の、力強い連続した突き上げで、彼女の中に突き入った。
純粋な恍惚の、共有された絶叫と共に、俺たちは二人とも、絶頂に達した。彼女の膣が、魂を揺さぶるような深い痙攣で俺の周りを締め付ける中、俺は、その子宮を、俺の堕落の種で満たした。
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