平和な吹奏楽部に先輩大好きガチオタヤンキーが来た
春木維兎 -haruki-yuito-
プロローグ
ごく普通だった
吹奏楽部に怖いイメージはほぼないだろう。
二年生に来た一人の転校生によって覆された。
「どーも。転校してきました。
バチバチのピアス。長い黒髪。いろいろなところにできた傷。いわゆる不良だ。
ざわざわと教室内が騒がしくなる。
「吹奏楽部、トランペットきぼーです」
のんきそうに口を開く。
その声に学級委員、
「吹奏楽部に入るつもりなの?」
彼女は吹奏楽部、クラリネットパート。彼女が嫌というのも無理はない。この学校の吹奏楽部はあまり強くない。部員も42人。これ以上増えても負担になると考えていた。
「そーだけど。めーわくはかけないよ。」
まっすぐな声だった。その声に春香は黙ってしまった。
「ってことでよろしく。しょっぱなから喧嘩なんてごめんだからね」
あっさりと終わってしまった。もっと続くのかと……誰もが思っていた。
「あんたも吹部だよね。案内して。ほーかご」
「あ、ああ」
近くにいたやつに声をかけ、席に着いた。
秋が転校してきた理由をまだ誰も疑問には思っていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます