少年の色

天目

第1話

これはある少年の高校生活の話である。




「おはよう」

 そう言ってくれたのはどうして仲良くしているのかもわからないような幾万といる友人の中の一人だった。

僕は、県内の中でも偏差値だけ見ると進学校に入学した。

 本当はもう一個上の学校に行きたかったがもしかしたら落ちてしまうと思うと不安と恐怖で受験することはできなかった。

「おはよう」と、僕は返す。

 そして、席につき今日の小テストの勉強でもしようかなと思っていると、小学校からずっと友達の「小林 翔也」が話しかけてきた。

 「なあ昨日元カノのあいつからまた連絡が来たんだけど、これってまだいけたりするやつなのかな。」

 翔也が言っている元カノとは「幸田 さら」である。

幸田さらという人物は非常に恐ろしい。いわゆる思わせぶりな女なのである。

 本当かどうかは僕の知ることではないものの翔也はこの女を追っかけ毎日のように僕に相談してくるのだ。

「知らないよ。そんなこと、近くにある花火大会にでも誘ってみたら?」

 僕は無愛想に言う。僕は恋愛になど興味はないのだ。

「おい、何だよ連れないなぁ。お前も彼女の一人でも作ってみろよ。世界が鮮やかになるんだぜ?」

 そんなことは天地がひっくり返ってもありえないことだ。

なぜかって?そうだな例を挙げるとしよう。

翔也の元カノである幸田さらであるが、なぜこいつらが別れたのかと言うと元々はさらが翔也に告白したのだが、

さら自身が「家族と数週間海外旅行に行くから別れよう」と言ったのだ。

まだ二人で出かけたり手を繋いだりもしたことがないのにである。

 僕はそれを初めて聞いたとき、僕の驚きすぎて顎が外れるかと思ったものだ。

他にも余罪を見つけようと思うと星の数ほど出てくる。それはおいおい話すとしてだ。

このように、人と恋仲になること特に異性などとは言語道断である。

「もうチャイムが鳴るから席につけよお前ら」

 担任が入ってきたところで会話は終わった。

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少年の色 天目 @amanome0817

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