第7地区要塞都市にて
第6話 要塞都市、到着!
よそ者嫌いの村を出発してから約40分程。
「えっ、ハイゴズもタナちゃんも戦闘に参加してくれないの!?タナちゃんの爪とか超鋭いじゃん、俺なんかより全然強そうじゃん!タナちゃんは良いとしてもおっさんは助けてよ俺のこと!!」
いつものように喚く俺を適当にあしらうハイゴズ。俺の扱いが上手くなってるな…。
「勇者になりたいなら強くなれ。」
…ぐぬぬ。そう言われると俺は弱いんだ。
しょぼしょぼ泣きながら道中で出てきたモンスターを必死に倒していたら、もうすぐ第7地区要塞都市に着くというところまで来ていたらしい。
「こんなに大きな壁、初めて見ました…!」
タナが感嘆の声をあげる。だが要塞のサイズに驚いているのはタナだけではない。
王国は王都を除き、第1から第9までの地区に分かれている。中でもここ第7地区は魔王軍が攻めてきたら最初に戦地になると予想されている場所だ。そのため第7地区の要塞がデカいのは理にかなっているのだが…。
「宿屋もギルドも市場も広い!これ、王都よりも規模が大きいんじゃないか?」
「そりゃ変な話だぜ。要塞都市はそれぞれの地区ごとにある。王都より規模のデケェ都市がそう何個もあってたまるかよ!」
謎なテンションで盛り上がっている俺達をタナが怪訝そうに見つめている。
でもしょうがない。でかいものってのは男のロマンだ。俺とおっさんは表面上は何でもない風を装いつつも、心の内にキラキラした情熱を秘めているのだ。
てか要塞都市って名前が既にカッコいいしな。うん。
俺とハイゴズが話していると後ろから眼鏡の少年に声を掛けられた。タナより背が小さく、声変わりもまだのようだ。
「我らが第7地区要塞都市を他の平凡な要塞都市と同列に語られるのはいささか不本意ですね。」
少年は肩にかかったマントを翻し、芝居がかった口調で語る。
「ここには僕たち、延べ1万人を超える王国軍が駐在しているのですから!」
「い、いちまん…!すごい…!」
大きな目を更に見開くタナ。彼女の村の人口は少なかったから、そんな人数想像もつかないんだろう。
タナの反応に満更でもなさそうな顔をした少年は眼鏡をくいっとかけ直して言った。
「そんな王国軍の中でも僕は9歳という若さで小隊長に任命されています。旅のお供として僕以上の適任はいないでしょう!」
……ん?
「…少年よ。それはつまり何が言いたいんだい?」
厄介事の予感がするぜ、と顔をしかめるハイゴズに少年は言った。
「僕を貴方たちのパーティーの魔法使いとして働かせてください!」
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